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ホーリーと観劇! part 3 「点字を読む能力って…?」

・・・ 3年目に突入!
    でも、まだ2006年の話 ・・・

 「画像としてとらえるのとは違うはず!」

 私は中途視覚障害。目から情報を得て暮らしてきた年月が長いので、
今の生活は、これまでの対極にある全く違った世界。そんな自分に出来ることと言えば、
きっと文字通り「中途」のポジションから両者を見比べること。何をどう言ったって、
全く知らない互いの生活を理解するのは無理なこと。だから、まだまだ視覚障害の
年数は少ないけど、両者が互いに理解し合えるようなパイプ役になれたらと思う。
この観劇シリーズも、そんな観点から書いています。では続きを。

 点字用紙の厚みは葉書ほど。その紙を点字番に固定し、一つのマスに六つの
くぼみのついている点字器ではさみ、先端がくぼみより少し小さく、丸くなっている
点筆でポツポツ打ちます。つまり、点字を書くときは裏(凹面)から打ち、読むときは
凸面からとなります。

ねぇねぇ、ちょっと想像して見て下さい。例えば半紙に「あ」と書いてそれを
裏から見たとします。「はい、花子ちゃん、表から見た字と裏から見た字は
違いますね。でも、表から見ても裏から見ても、この字は{あ}です。どちらから見ても
読めるように覚えましょうね。但し、見ちゃだめですよ。触って判るように
しましょうね。ポコッと膨らんでいるのが判りますか?」。これって超難しくないですか?

 学習障害の一種、Dyslexia(ディスレクシア)は、鏡文字を書いたり逆さ文字を
読んだり書いたりするらしいけど、原因は不明とのこと。でも、目は見た物を
逆さまに網膜に投影し、脳が変換していると聞いたことがあります。
字を覚えたての子供も時々鏡文字を書きます。あれっ、何の話しでしたっけ?

そうそう、例は違うかも知れないけど、視覚障害者って、学習障害と言われている
分野で、まだ解明されていない脳の文字認識現象を自主的にやってるんですよね。
書くときの意識と読むときの意識が異なるんだから、点字速読者の脳ってどうなってるんでしょう?改めて不思議に思います。

それに、またまた点字触読にが手の私の言い訳だけど、触覚から理解する能力と、視覚から理解する能力って同じなのかなぁ。そもそも、点字をどうやって文字として認識しているんでしょう? 点字は図形で、普通文字は画像。中途傷害のせいか、少なくとも私は、触った点の配列図を、「1・2の点だからこれは{い}だ」とか、一度画像として思い描いてしまうんです。そのクッションをなくせれば、読むスピードはもっと速くなるでしょうけど。

見えていた時だって、「書いた字の「あ」が「あ」と言う音と「あ」と言う字としてイコールになり、瞬間に認識できるようになるまでたくさん時間がかかったはず。点の集合を、触れてすぐ一つの文字として認識できるようになるまでには、きっと同じくらいの努力と時間が必要なはず。それに、すでに私の脳には、小学一年の時の柔らかさはない訳で…。(汗)

何だかんだ言ってもやらなきゃダメ。脳科学者のキムタクが出てきて「あっ、判った!」って、効率的学習の仕方とか記憶力倍増法とか教えてくれればいいのに。まぁ、そんな技術や方法があるなら、語学学習で苦労している人たちは飛びつくはず。

 あっ! そうそう。藤本さんはどうやって点字を書いたかと言うと。点筆を
麻痺した手に縛ってもらい、その手をもう一方の麻痺した手で押して書いたんです。
紙が厚いので、点字を打つには力が必要。かといって力を入れすぎると凸面の
先端(点字のてっぺん)に穴があいてしまいます。力の入れ具合も難しいんです。
その微妙な感覚を、麻痺した手が感じ取れるはずがないのに…。(落涙)

それに、麻痺した手は、強く押して点筆が皮膚を圧迫し続けると、治療が必要なほど
そこが壊死してしまうって。しかも治りが遅い。長年頑張ってくれた右手中指の
ペンダコを触ってみます。私のそこは、ペンを握り続ければペン型にへこむし
痛かったけど、壊死することなくペンダコとなって今も存在しています。
ハンセン病のつらさを思い、そこまでして点字を書こうとした藤本さんの努力に
平伏します。

 園内で結婚された御主人亡き後、再婚された方は目の見える人でした。齢を重
ね、藤本さんの点字での読み書きは、ご主人の視力を頼りにするようになります。
先天や幼児失明の人でも、齢が行くと触読に疲労を覚え肩が凝るようになると
聞きました。老眼鏡をかければ文字が読めるのと違い、点字の触読には、
かなりの集中力が必要なんでしょう。自分の未来の姿…と言いたいけど、私は
耳から派。聴力の音路へを恐れます。

 おっと、そろそろ開幕のベルがなり始めました。次回は舞台模様です。

 つづく

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