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ホーリーと観劇! part 1.「地面の底が抜けたんです!」

・・・ 3年目に突入!
    でも、まだ2006年の話 ・・・

 「そんなことができるの!?!」

 ある日、見えなくなって初めて、ホーリーと一緒にお芝居を観に行きました。
その日は私とホーリーにとって記念すべき日! あれっ、いつだったかなぁ?
忘れちゃったけど…。(汗)

観に行くと言っても地元の生涯学習センター。お芝居と言っても一人芝居で、
毎度ながら地味~なんです。でも、重い腰を上げた理由、それは、題材が
ハンセン病だったから。と言うか、原作者・藤本としさんの生き方に刺激されて。
今回はチョコっとまじめモードで~す。

 ひとり芝居の案内のコメント。「視力を失った著者・藤本としさんは、
麻痺した指の変わりに舌先で点字を読み…」。{エッ!舌先で点字を読む!
読めるの?}。

「自分は中途傷害で点字の触読が苦手…」と、いつも努力不足を棚に上げ、
点字触読をさぼり続けていた私。(汗) 信じられませんでした。
だって舌ですよ。舌ってベロですよベロ。あの小さな点の集合を、空白部分の
判別を舌先でやったなんて…。ただただ唖然、驚嘆です。

私とは根性も精神力も違い過ぎる。とは思ったけど、藤本さんがどうして
そこまでして点字を学んだか。どんな人だったか知りたくなったんです。

 舞台の飾り付けも見えないし、役者の動きも見えない。それでも観に行きたい
と思ったもう一つの理由は、一人で演じるとはどんな事か知りたかったから。
目の見える人にはかなり視覚に訴える効果があるそれらを、あえて抜きに
演じるってどういう事だろう。朗読とどう違うんだろう?

それでも衣装や音響、演技の助けはある。音にしか頼れない見えない私に
ひとり芝居から伝わってくるもの、訴えてくるものって何だろう? 私はそれが
知りたかったんです。

 でも、脚色され言葉が抽象的になっていたら、私にはせりふの意味も何も
判らない。だから、事前に原作を読み、全体を頭に入れておくことにしました。
そうすれば、話が省略されても{あの場所だ}って判るし、{脚色って
こんな風にするのか}って判るでしょ。どうです、研究熱心でしょ。

全ての本が朗読されテープになり、点字になっている訳じゃないです。
が、運よく、この「地面の底が抜けたんです」の朗読テープが日本点字図書館に
ありました。

テープで本を読み、準備万端。この本がどのように脚色され演じられるのか、けっこう楽しみだったりして。いやな趣味かも…。(汗) だって、声だけの
情報しかない私に、結いさんの舞台は何を訴えてくるのか興味があったんだも~ん!

 主催者にお願いし、末席のドアに近く、みなさんの出入りにご迷惑に
ならない所に席をとってもらいました。もし、ホーリーが舞台の大きな音に
反応してしまったら、すぐに退席できるようにと思ったからです。私も初めて
だったけど、何せホーリーにとっても初めての体験なんですから。

実は、訓練センターでハープ演奏の慰労があったとき、演奏終了後、
ホーリーったら、まるで「ブラボー!」とでも言いたげに「バウーゥ」と
鳴いたんです。訓練士もいたし音も大きくなかったし…。これは絶対にブラボーの
意思表示、もしくはアンコール要求。私はそう思いました。

同じ事を芝居の最中にしてしまったら…。大きな音に反応してしまったら…。
終了後に「ブラボー」と鳴いたら、きっとみなさん全員が思うでしょう。
「盲導犬なのに!」って。(号泣) だから、過去に実績のある身では、出かける前に
退散のための気配りが必要だったのです。(大汗)

 そんなこんなで迎えた当日。その日、車から降りた私たちをいち早く見つけ
声を掛けてくれたのは、なんと、あの百戦錬磨のNさん! どこに出没しようと
公報担当だから不思議じゃないけど、とっくに時間外労働。公報作りって
大変なのねぇ~。(しみじみ)

 そうそう、当日の模様を書く前に本の内容と役者さんについてご紹介。
あれっ、なんだか別のブログみたい? まぁいいか!

「地面の底が抜けたんです」著者・藤本とし(1901年~1987年)
結婚が決まった18歳でハンセン病を発病。20歳で父親が、23歳で母親が死去。
四肢の麻痺に加え47歳で失明。療養所を点々とし、岡山県の国立療養所
邑久光明園にて86歳で逝去。この本は、著者の話しを口述筆記しまとめたもの。

ひとり芝居 役者・結い 純子
2001年「地面の底が抜けたんです」初演。公演通算100回を超える。
「人生一発勝負」の構成演出で文化庁芸術祭優秀賞を受賞。

と言うことで、興味のある方はグーグルして下さい。視覚障害者の方は、日点に
朗読テープがあります。北条民雄著「いのちの初夜」もあります。

 つづく

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