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2009年4月

私は見えない訓練士!

・・・ 大ぼけ! 出会いは2005年。
    2年目だからーー2006年の話し(汗)・・・

 「あっ、ホーリーだ!」

 お散歩のとき、小学校の近くをウロチョロしている私たち。当然ながら
小学生にはたくさん会う訳で。しかも二年も経てばほとんどの小学生が
一度くらい私とホーリーの姿を見て知っている…と思っていたけど、
それほど有名ではありませんでした。(汗) それどころか…。

 商店街を歩いていたら、下校途中の男の子たちの声。どうもこちらに
向かって歩いて来る様子。「あっ、ホーリーだ。」「ハーネスしてたら
声掛けちゃいけないんだよ」。{ウンウン、先生方の教育のたまもの!
えらいぞ君たち!}と、内心嬉しくなる私。子供好きのホーリーの
しっぽもブンブン、歩調も軽やかにお互いが近づいて行きます。が…。

すれ違いざま男の子が言いました。「訓練がんばっていい盲導犬になるんだぞ!」。
{ゲッ! ショック!!}。もう2年もこのへん歩いてるんだけど…。
(号泣)

その子たちが通り過ぎるか過ぎないかくらいのところで、思わず
「盲導犬なんだけどなぁ~」と、ため息とも取れるほどの声でボソッ
と言うと、すかさず「クククッ」と押し殺すような笑い声。
あ~ぁ、そばに人がいました。一部始終を見て聞いていたその人は、
「悪いと思ったけど我慢できず…つい」と言った感じで笑っています。(涙)

 「ただいま訓練中」と思われるのは初めてではなく、その少し前にも
「訓練センターはどこにあるんですか?」なんておじさんに
声を掛けられ、「神奈川です」と答えると、「イヤ、この近くに
あるんでしょ?」と。「いいえ、この辺にはないです」と言っても
納得いかない様子。

ときには「ご苦労様です」なんて言われることもあって…。
そりゃ、見える人が歩くよりは大変だし苦労は山ほどあるけど、
ご苦労様と言って頂けるほど、人様のために何事かしている訳じゃないし、
自分でも知らないうちに私の背後から後光が…なんてこともない訳で…。

この件について家族会議をした結果、たぶん美しい誤解ではないかと。
そうです。私は盲導犬訓練士と思われているのではとの結論に
達したのでした。そう思えば全てのことに合点が。

 「盲導犬と歩いているあの人、いつもおしゃれだし、颯爽としていて
すてきねぇ~」なんて言われるよう、盲導犬が来たら、昔みたいに
おしゃれして、見えないなりに闊歩するぞ! と脱引きこもり、盲導犬デビューを
夢見ていたのに、現実は日に日に改良が加わり、機能と合理性を
追求した無駄のない、イヤ、色気のない服に変わって行き、障害物との
コッツン対策に、それまでの人生、一度もかぶったことのないキャップ
までかぶり、ここまで極めて足下がパンプス…なんてはずはないのです! (涙)

あまりに機能を追求したせいか、御用達店はワークマン。誤解のないよう
書き添えますが、ワークマンには女性ものもたくさんあって、特にお勧めは
ここの肘までのゴム手袋! スーパーより価格もリーズナブルで長持ち。
って、ゴム手の話ではありませんでした。

人って意味の「マン」を、そのまま「働く男」と思っている人が
いるかも知れないし、いっそ名前を「ワーク マン&ウーマン」にすれば、
女性も入りやすくなると思うなぁ~。それにほら、何となく垢抜けません?

はい、元にもどりま~す。

 私たちが訓練犬と訓練士に間違われるのは、私のスタイルが優雅とは
かけ離れた体育会系だと言うことともう一つ、愛息ホーリー君の歩行、
と言うか素行であることは間違いなし!(涙) 

そもそも私の服装にしたって、目の見えない私が、彼の咄嗟の行動に
いかに素早く対処出来るかを追求した結果、やたらポケットの多い服に
行き着いた訳で…。ここにたどり着くまでいつもいつも思ってましたよ。
{ドラえもんのポケットがあったらなぁ~!}って。(お解り?)

 でも、本当はもっともっと大切なことがあって…。それは、盲導犬について
情報が正しく伝えられていないこと。私だけでなく、イヤ、私は例外
かも知れないけど(汗)、どのユーザーも多かれ少なかれ苦労しているし、ノイローゼになった人だっているんです。

テレビで放送されている盲導犬の素晴らしいガイド。ホーリーだって
訓練士が一緒だと判るとパーフェクト。良いとこ撮りすれば…
どうです、悪いのはユーザー?!(涙)

まぁ、中にはミスマッチとか、学校を卒業したら犬が心身共に解放
されちゃって大変貌…なんてこともあるし、判断は難しい。そして、
そう言うケースはテレビでは流れないのよねぇ~。(しみじみ)

 そんな現実、見守って欲しい周囲が誤解のフィルターを通して
見ていては、応援になるはずの声がプレッシャーになり非難に
なっちゃうんです。「訓練頑張れよ」くらいならいいけど、
テレビと比べた評価なんかいらないんです。言われなくても、
ハーネス握っている本人が一番よ~くしってるんですから。あれっ、
これ前にも書いた気が…。そろそろ来てますかねぇ~?(汗)
(詳しくは「窓際のホーリー」を読んでね)

牛歩より遅い歩みかも知れないけど、それでも私とホーリーは着実に
進歩していて、現に、小さい町ながらメインロードを歩き買い物だって
出来るようになったし、英会話サークルに行くのなんてホーリーの大のお得意。
それに、気がつけば、先輩ユーザーが言っていた「言うこと聞くように
なるまで2年かかるわよ」の2年満了は目の前! ホーリーも4歳になるし、
訓練犬に間違えられるのもそう長いことじゃない! と自分に言い聞かせ、
三年目の歩行に期待し、ひたすら今を耐える私でした。

… 完 …

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商店街はいい匂い!?

・・・ 大ぼけ! 出会いは2005年。
    2年目だからーー2006年の話し(汗)・・・

 「休日はとくに…!」

 商店街を歩けるようになってからお店の方とのあいさつもふえ、
買い物の幅も広がったし…で喜んでいたら、どうも土・日のホーリーの
素行がいつになく落ち着かない。

商店街には八百屋さんやお肉屋さん、お団子屋さんや花屋さん(?)など、
魅力的な匂いを発散させているお店がいっぱい。時には歩道に商品が
並べられ、それらにホーリーが引きつけられるのは経験済み。(汗)
(詳しくは「カブのみそ汁ロングバージョン」を読んでね)

でも、ウイークデーとエンドでは、ホーリーが近づいて行く場所が
何となく違う。ぶつかりそうになる対象物が電信柱ではなく、
アーケードの天井を支えている鉄柱。どっちでもぶつかれば痛いことに
変わりはないけど…。(涙)

しかも執ように嗅ぎ続け、いくら「ノー」の指示を出しても、チェーン
ショックをかけてもダメ! 確かにホーリーの首のプルプルは、
他のラブちゃんよりタップンタップンしてるけど、まさかそれで
ショックが半減? しかし、足を踏ん張って頑張りたくなるほど
魅力的なオシッコの主ってどんなワンちゃん?

見えればリードを引っ張って引きずってでも歩かせるけど、主とは言っても
ホーリーあっての私。彼が動いてくれないと、自分で柱にぶつかる
可能性は大。(涙)

 その騒ぎを…って、騒いではいなかったんだけど、店内から見ていた
ご主人が出てきて一言。「そこで今朝、犬がオシッコしていたんですよ。
水まいといたんですけどねぇ、さすが犬だなぁ」。
{あぁやっぱり!}って、ちっともさすがじゃないです。(号泣)

さっきからぶつかりそうになるのは鉄柱ばかり。時には舗道上で
クンクンやり出すホーリー。犬好きで、いつも彼が通るのを見守り、
私に声を掛けてくれるご主人。足を止めた私たちに教えてくれました。
「土・日は特にひどいんです。歩道におみやげまで残して行くんですよ」。

 言い訳だけど…、ホーリーは、ワンツーベルトを使ってウンチや
オシッコをしていて、たまに失敗もあるけど、日頃の練習が功を奏し…、
(涙) その頃は危うい気配をいち早く察知! 約90%くらいは回収に
成功していました。

突然やられちゃった時も、訓練センターで習った「背骨撫で撫で
&つま先方向確認方」で現物をしっかりGET。マーキングのオシッコには
お水を掛けてっと。

それでも、ホーリーが回転しすぎて現物が袋から飛び出しちゃう
こともあって、そうなると私では回収不可。オシッコだって、
出来るだけ袋でさせて持ち帰ってるけど、突然のマーキングには
対処できず! だから、私たちだってお散歩コース中のそこここで、
みなさんにご迷惑を掛けているやも知れず…。思わず「すみません。
気をつけます」なんて頭を下げていたのでした。

 商いは清潔が大事。ワンちゃんの粗相に迷惑しても言えないんです。
イヤ、ワンちゃんを連れている人もお客様。だからこそ言えないんです。

注意できず黙々と片づけお掃除している日々。だって、ただでさえ
活気がなくなってきているのに、注意したらお客さんが来なくなっちゃう。
最近は逆切れが当たり前みたいだし…。クククッ! なんて矛盾!(涙)

そう言えば…。歩いていると消毒薬の匂いがぷんぷんしている場所が
あって、そこ、確かにホーリーもよく止まってます。でも、両隣の
お店にとってはどちらも営業妨害だったりして。かと言って
放っとけば、その臭いにつられて別の犬がシーットットット。

 匂い嗅ぎ大好きホーリー君監修の元、私作成「お出かけ道案内臭」
によると、我が町は、至る所彼にとって魅力的匂いがいっぱい。
製作にあたり、文字通り体当たりで現場検証した私が保証します。
(涙) 特に土・日の臭いバリアは、盲導犬とユーザーにとって、
人が作ったバリアに劣るとも勝らないバリアなのです!!

このまま放っとけば、人には判らないけど嗅覚の優れた生き物には
ビビッと判る、実はくさ~い町になってたりするんです。ほら、
インドに行けば香辛料の臭いがスルシ、タイは椰子あぶら。ちなみに
日本は醤油のもろみの臭いとか?

 盲導犬フェアーで松健サンバ踊っちゃうドクターM曰く、「目安は、
500mlのペットボトルに一滴の家庭用漂白剤。それをマーキング後の
電柱や柱、道路に撒くといいよ。くれぐれも間違って飲まないように!」。

御主人が困ってそうだったのでコソッと秘伝を伝授。商店街の
寄り合いかなんかで伝えてくれれば、強烈な匂いを発散させている
あのお店も清潔が保て、且つご近所からクレームも来なくなるかも
知れない。根本的な解決にはなってないけど…。

商店街活性化のため、お店の人たちに家庭用漂白剤の無料配布…。
なんてことにならないか、町長さんに現状を直訴してみたらどうだろう?
その時は、やっぱり長い竹の先に直訴状を挟むんだろうか?
なんてったって直訴ですからね直訴!(汗)

 当事者でもあり、後ろめたい気持も若干混じっている私は、
どうにかできないかとの思いでトリップも絶好調。お出かけ道案内臭が
「大人気! 新たなポイントチェックで増補改訂!!」なんてことに
ならないことを願いつつ、柱に注意しながらその場を離れたのでした。

しかし、ホーリーのこの才能は、盲導犬にしておくには惜しい気が。
麻薬探知犬もしくは災害救助犬とか、飽くなき探求心でひたすら
嗅ぎ回れる仕事にキャリアチェンジで適材適所。彼の特性が輝き、
成田空港当たりで大活躍間違いなし!! そんなことを考えていたら
「あっ、ダメダメ! ホーリー、そっちは柱だって!」

… END …

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歩けるってステキなこと Last part …昔のようには歩けない!

・・・ 大ぼけ! 出会いは2005年。
    2年目だからーー2006年の話し(汗)・・・

 「これが今の私の歩行!」

 世間が思う盲導犬のイメージ通り、共同訓練の時にホーリーが
見せてくれたガイドは立派なものでした。角をキビキビ教え、段差で
ピタッと止まり、階段では一段目に前足を掛けこれまたピタッと停止。
決して匂い嗅ぎはせず拾い食いもせず、歩行中にウンチやオシッコなんて
もってのほか!! {これならいける!}。美しい思い込みの始まり始まり~。

が、かなり後になって気づくんだけど、3週間の共同訓練中
ホーリーが見せてくれたガイドは、後方からついてくる訓練士を意識し
「ほら、見てみて!」とやっていたこと。

彼にとってはとっても楽しい時間だったんです。教えられたとおり
上手にやれば満面の笑みで褒められ、しかもしっかりアイコンタクトで
お互いをキャッチ! そこには、もう言葉なんかいらないのです。(?) でも、夢中で歩いていた私にはそれが判らず、このガイドが
づっと続くと信じていたのでした。

 今さら不要とは思いつつ、優等生だったホーリーの変貌ぶりを少し。
ホーリーは、匂い嗅ぎや拾い食いが大好き。彼のお腹の横に並んで
歩いている私は、その度に電柱や街灯にぶつかりそうになり、
横飛びで落ちている物に飛びつかれれば、縁石に足を取られ転びそうに。
それが駅の階段だったりするとお~こわい!

お散歩前に家で排泄! は、盲導犬の大切なしつけ。が、これも途中で止めて残しておくんだから涙。何でこんなに変わっちゃったんだろう!?
とため息が出るほど。

が、正直、判らなくはないです。訓練センターを卒業するってことは、
もうお遊びモードじゃダメ。アイコンタクトができない人と歩く
最初のうちは、叱られるのも褒められるのもどこかトンチンカン。
ちゃんとやって当たり前。失敗すれば叱られる…なんて、どう考えても
割に合わない! 混乱し、若さ故にやる気も失せそう。って、何だか
勇んで社会に出た時の自分のことみたい…。(汗)

まぁ、ホーリーの気持ちはちょっとおいといて…。こんな状況で
歩く気苦労を察して下さい。と、とりあえず自分の話に強引に持っていく私。
(再び汗)

 でも、共同訓練のときの強烈な体験は、その後、自宅に戻ってから
始まる悪戦苦闘の日々に耐えるだけの希望をくれたし、しかもあの時の
ガイドぶりだけを信じて頑張ること丸二年。けっこうしぶとい私。

 MLの投稿を読んで思い起こしてみれば、そんな状況下でもホーリーの
ガイドでバックミラーにぶつかったことはないし、駐輪中の自転車の中に
紛れ込んだこともない。それどころか、一度だけ経験した「側溝
落っこち事件」は…。

正直に告白します。ホーリーはしっかり止まり危険を教えたんです。
でも私は彼の合図を信じられず、よそ見していて指示を聞かないんだろう
と勝手に思い込み、無理やり「ゴー」で歩かせたんです。そうです、
私の誤指示が原因です。

でもでも、「オオカミが来た」じゃないけど、ホーリーにも疑われる
下地はしっかりある訳で、日頃の行いが悪いと言うか、お互い、
信頼していないと言うか…。(涙)

こうして、一歩踏み出した足は側溝へズボッ! 見事に自爆したのでした
(号泣) (注.もちろん、ホーリーは落ちませんでした。賢い犬です!)

 白杖で一度も単独歩行をしたことのない私は、視覚障害者の苦労を
な~んにも知らず、世間の目を意識しすぎ、勝手な思い込みで
ホーリーに自分の理想を押しつけ、「そうじゃない! そうじゃない!」と、
思い通りにならないことにいつもイライラし、そのくせ見えない
怖さから彼のスピードについて行けず、やる気を損ない足を引っ張り、
匂い嗅ぎや拾い食いをさせてしまうゆとり、原因を作っていたんです。

 それでも、毎日毎日、理不尽に叱られながら一緒に歩いてくれるホーリー。
Mさんの問いをきっかけに、MLの投稿で知った見えなくて歩くことの危険。
ようやく気づきました。私は、もう昔のようには歩けないんです。
ホーリーと一緒に歩くこの歩みが、スピードが今の私の歩行なんです。
(はい、ここで感動的なBGM!)。私は、自分の「今」を全く判って
いませんでした。

 それに「ホームズも拾い食いの常習犯」とはMさん。彼女も一度、
落ちていたティッシュに横飛びされ階段から落ちそうになってから、
リードだけ持ち、手すりを使って降りているって。

同じ経験を持つ私も、しばらくは手すりで降りていたけど、
それでも、やっぱり拾い食いを止めさせ、ハーネスを持って階段で
降りることに執着。Mさんと私の決定的な違いは…臨機応変な対処と
おおらかさ、頭の柔軟性なのかも知れない。(しみじみ)

 「マナティーさん、歩けるってステキなことだと思わない?」。
Mさんのこの言葉には、全部言おうとしたら収集がつかなくなるほど、
きっとふか~いふか~い意味があって、そうとしか言いようが
なかったんだと思うんです。(鋭い洞察!)

 長いときを掛けてやっと悟れた私の現実。あ~ぁ、それでも
ホーリー君、もちっとしっかりガイドしてくれないかなぁ…と、
安全に歩くことの難しさにため息。苦行の年数が足りないのか、
悟ったけど、ブッダと呼ばれるにはほど遠く…。「玉磨かざれば光なし」。
鍛錬鍛錬!! まだまだ悟りがくすんでいる私でした。(汗)

 「歩けるってステキなこと」…完…

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歩けるってステキなこと part 3…みんな苦労している!

・・・ 大ぼけ! 出会いは2005年。
    2年目だからーー2006年の話し(汗)・・・

 「知らなかった…!」

 中途視覚障害で、眼科ドクターから外出注意勧告が出ていたこともあり、
ホーリーと歩くまで白杖を使って単独歩行したこともなく、盲導犬
ユーザー仲間以外、目の見えない友人・知人がいなかった私。だから、
目からの情報が全くなく歩くことの危険性や大変さが判らず、また、
どれほど気苦労で疲れることか、な~んにも知らなかったんです。(大汗)

ホーリーと出会うまでの約5年間、歩くと言えば家の中と庭をウロチョロ。
どれくらい歩かなかったかと言えば…。歩行の励みにと買った
伊能忠敬モデルの万歩計がほとんどカウントしなかったほど。

ハイ、万歩計の詳細で~す。地図作製のため測量しながら
日本中を歩いた先達を見習い、その偉業体験と言うか…、日本橋から
宿場宿場を目標に歩行距離が表示されると言う物。でも、いつまでたっても
次の宿場に着かないんです! (涙) で、よけいストレスになるので放棄。

万歩計を買う前から、密かにトトカルチョをしていたらしい家族。
が、誰にも五十三次踏破すると信じられていなかった見事な私!
まさか日本橋で頓挫するとは思わず、最短距離で勝利した者でさえ
「せめて次の宿まで行くと思ってた…」と呆れる始末!

こうして、平成の伊能忠敬もどきの大事業は、予想を裏切ることなく、
それどころか短期決戦で見事に挫折したのでした。(快哉!) 
あ~ぁ、また脱線! コホン。

そう言うわけで、超音波歩行補助具の情報収集のつもりで読んでいた投稿は、
視覚障害者がどれくらい大変な思いで日々歩いているかを
私に教えてくれたのです。

 視覚障害者の不自由さの一つにアクセスの困難さがあり、それは、
中途傷害の私も、イヤ、中途傷害だからこそ痛感していること。
いくら白杖だけの歩行に馴れていても安全は別物。でも、超音波を
使えば安全度は増し、盲導犬と歩けば更に楽に、安全になる。スピードだって
格段に違うし、もしかしたらだけど、ほとんどの視覚障害者の人たちは、
一人で風を切って歩いた経験なんてないかも知れないんです。(うるうる)

 私と同じように盲導犬と歩いていても、Mさんはそんな大変さを
経験してきた人。見えない歴なんてもんじゃなく、私とは眉間の
縦じわの深さも本数も違うんです。あっ、これは、年が違うとか
お肌の回復力が違うとか、ついでに、私の眉間にしわがあるとか
ないとか…そう言う問題じゃないです。(汗)

確かに単独で歩いていた時に比べれば、ホームズのガイドで歩ける今、
神経の使い方は「ぜ~んぜん」なのかも知れない。イヤ、使って
ないってことはないけど、使い方が違うんだろうし、きっと眉間に
縦じわも寄ってないはず!(I guess.)

 人頼みの外出ではなく、いつでも好きなときに(これは語弊が
あるけど)自由に外出する手段として今現在、一番安全なのは盲導犬
との歩行だと思うんです。Mさんは確実にステップアップして来ました。

でも、ずっと目が見えていた私にとって、歩くってことは、恐らく
Mさんがホームズと歩いて初めて知った、そんな歩行じゃなかったんです。
だって私は、普通に歩くってことがどう言うことか知ってるんですから。

 盲導犬に対する正直な思い、期待も、きっとMさんとは違うはず。
私は思いました。「目が見えなくてもきちんとしつけられた犬が
一緒なら、以前と同じように…とは言わないけど、きっと自由に歩ける。
また何か始められる」。テレビや本から得た知識や情報が、
そんな私の思いを確固たるものにしていったのです。

 つづく

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歩けるってステキなこと part 2…安全確認は超音波で!

・・・ 大ぼけ! 出会いは2005年。
    2年目だからーー2006年の話し(汗)・・・

 「ヘェ~、いい物があるんだ!」

 「安全確認のため、超音波歩行補助具の購入を検討しています。
現在お使いの方、使用感など教えて下さい」。ある日、視覚障害者や
関係ボランティアなど約1,000人が集うネット上のコミュニティーML
(メーリング リスト)にこんなメールが届きました。

投稿者は還暦を少し過ぎた全盲の方で、何でも年のせいか勘が鈍り、
超音波を使用した歩行補助具(障害物検知器)を使用し、前方の
安全を確保したい。使用感やお勧め品などあれば教えて欲しいとの事。

オーッ! こんな商品があったんだ!! この話に私も興味津々。
早速ネットで情報収集開始。こう見えても…って、どう見えてるか
判らないけど、私ってけっこう研究熱心なんです。(汗)
そんなことしながら、MLへの返信を楽しみに待っていました。

 「歩行補助具って何?」と、小首をかしげているそこのあなた!
ハイハイ、知ったかぶりで教えちゃいましょう。(汗) ヒントは
コウモリさんで~す。何となく判りましたか?

それでも閃かないと言う方のために。視覚障害者が前方の障害物を
確認するための物で、暗い洞窟でコウモリが使っているアレです。
アレと言っても、コウモリの活動が夜なのをいいことに、徹夜で
店先に並びいち早く商品をGETしたとか、生まれた時、生前贈与で
親から遺産としてもらったとか家宝とかじゃなく、先祖伝来のDNAに
組み込まれている機能って意味ですけど…。(再び汗)

コンパクトな器具を手のひらにバンドで固定。前方に向けたそれを
歩きながらワイパーのように左右に振ると、障害物の有無が振動の
強弱で判ると言うシステムです。

例えば、駐車してあるミニバンがハッチバックを跳ね上げてあるとします。
荷物がなにもないとして、超音波は後部座席までを空間と認識、
振動は弱くなります。が、そのまま進めば背の高い歩行者は
開いているドアに頭をぶっつけます。

自転車の車輪、つまりスポーク部分も空間がほとんど。振動から
障害物を判断するだけでなく、自分のいる場所を意識し勘を働かせるには
慣れも必要。ここでも根性の出番なのです。

と言うわけで、安全に歩くためには、器具の上手な使い方の指導が不可欠。
また、こつを会得するための日々の努力&鍛錬が大事なのです。

その器具を使っても、コウモリさんの自由な飛行には及ぶべくもないけど、
発明の功労者の彼らに感謝です! しかし…、コウモリは昔から
飛んでたのに、どうして21世紀までこの器具が発明されなかったんだろう。
(涙) 

しょうがないのかなぁ~、アダムとイヴの頃からあったリンゴだって
熟せば地面に落ちただろうし…。カエルだってずっと昔から水に
飛び込んでたのに、誰も俳句にしてくれなかったんだから。(号泣)

器具の価格は、約4万円から9万円まで数種類。おいそれと飛びつける値段じゃないです。コウモリのことはよく知らないけど、とりあえず両翼は自由に使える訳で…。(汗) でも、人の場合、右手に白杖、左手に超音波機器を付けると物は持てないし、子供がいる人は
手もつなげない! それでも、目の代わりになるくらい情報が得られれば
9万円が20万円でも決して高くはないです。

20万円ってところが我ながらせこい気がしないでもないけど…。
(汗) が、今のところ、世界中探しても目の代わりになるような物なんて
どこにもないです!! (号泣)(注1.)

 と言ってる間に返信が…。現在使用中の人や、使用経験者から
けっこう反響があってビックリ。さ~すがML! 早口言葉みたいだけど、
情報障害者と言われている視覚障害者の情報収集にはもってこいです。

 フムフムと期待しながら読むと…。当たり前だけど人によって
感想は異なり、便利に使っている人、ときどき使っている人、
面倒になって使っていない人まで様々。歩行の安全に話が及ぶに至っては、
障害物とのバトル談義になっていったのでした。

歩道に止めてあった自転車、電信柱、街灯にぶつかったなんて話から
始まり、「放置自転車の中に迷い込んで出られなくなった」「駐車中の
トラックのバックミラーにぶつかって歯を折った」プランターや看板、
お店のディスプレー、旗や物干しを置くなどの歩道の私物化。自転車や
車の違法行為による自己やケガの話が次から次へと出てきたのでした!! (涙)

 (注1.)
2009年現在、額感覚認識システム「オーデコ」が開発され、外科手術の
必要のない視覚代用システムとして、実用化に向け開発が進められて
います。

詳細は書きHPをご覧下さい。未熟なためリンクが張れません。
コピペして自力で検索して下さい。(汗)

(株)アイプラスプラス・Forehead Sensory Recognition System・額感覚認識システム
http://www.eyeplus2.com/service.html

 つづく

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