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2009年2月

コンビニで「ノー」 part 1…できた! できた!! でも…

・・・ 大ぼけ! 出会いは2005年。
2年目だから…2006年の話し(汗)・・・

 「犬の入店はお断りしていますので…」

 ホーリーの「カブにパックン」事件以後、私たちはずっと商店街を
歩きませんでした。イヤ、歩けなかったのです。(汗)
(詳しくは「カブのみそ汁 Long version.」を読んでね)

スーパーでは容易に買い物が出来ない私です。対面販売のお店が
軒を連ねる商店街はとっても魅力的。だって、家族に頼まずお店の人と
会話しながら買い物できるんだも~ん。

毎日、商店街の入り口で右折。{そろそろいいかなぁ~}と意を決し、
八百屋さんと反対側の道を歩く練習から。こちら側には薬局も雑貨屋も
コンビニもあるし、場所さえ覚えればけっこう便利。(ムッフッ)

それでも、ただ商店街を通り抜けるだけのお散歩を繰り返し、音や
歩数でだいたいのお店の場所を覚え、時に通りがかりの人に教えてもらい、
中には入らずお買い物。ご主人や店員さんの声を覚えました。(努力!)

 ある日、コンビニ入店に初挑戦! とは言っても、注文した品を
受け取るだけだから店内はうろつかないし、それほど迷惑は
掛けないだろう…との思いで決行。

歩道の角から歩数を数え、{この辺かな}と当たりをつけた場所で
ホーリーに指示。「レフト ドア」と、自動ドアの方に行かせます。
手前に段差があることを教え、自動ドアがガーッと開く音。

やりましたやりました! 苦節1年半…。ホーリー君えらい!!
私たちだけでコンビニに来られました。入れました!! (号泣)

 彼の体をグリグリなで回し褒めちぎってあげたいくらい大感激だったけど、
さも当たり前のように、そんな態度はおくびにも出さずジ~ッと我慢。
普通に「グッドグッド」と褒めるだけの私。

あっ、そんなこと言ってる場合ではありません。気配り気配り!
次の入店者の邪魔にならぬよう、白杖で確認し右側にさりげなくよけ、
ホーリーをお座りさせ店員さんを呼びます。気のせいか、この一連の流れも
いつになくスムーズなような…!

 {やっぱりやればできるんだ~ホーリー君}と、窓際のトットちゃん
じゃないけど、ことあるごとに「本当はできるんだからね!」と信じて
言い続けていたことは間違いじゃなかった。

もしかしたら、徳が低く主とみとめられていないのではと心配していたけど、
こうしてきちんと指示も聞いてくれたし。やる気の見えなかった愛息が、
初めて見せてくれた立派な姿にジーンと来るのでした。(再び号泣)

が、次の瞬間、信じられない言葉が聞こえてきました。「犬の入店は
お断りしているんですが」。初めての入店拒否でした。

反射的に私の口から出た言葉。「この子は盲導犬ですけど」。
盲導犬と聞いてもお店の人は更に言います。「でも、犬の入店はみなさんに
お断りしていますので外につないできて下さい」。何てことでしょう!!

入り口には「補助券入店OK」のステッカーが貼ってあるのに、
シールの意味を知らなかったのでしょうか? 私は続けました。盲導犬は
補助犬法でユーザーとの入店が許可されています」。

お店の人は一瞬ためらい、それ以上何もいいませんでした。が、
予期せぬ言葉に強気で言い返していた私の心臓は、異常なほど
バクバク音を立てていました。

 フッと、隣にいるホーリーに手を伸ばしてみると、彼はその場の雰囲気を敏感に察し、
歓迎されていないことを感じ取ったようで、静かにお座りしていました。

いつもなら、迎え入れてくれた人とのアイコンタクトが嬉しくて
しっぽを左右にブンブン。まるで床掃除をしているかのように振って
喜びを体現しているのに…。

さっきまでの嬉しさがとびっきりだっただけに、おとなしいホーリーの
姿がいじらしく、こんなに頑張ってガイドしてきてくれたのに…
と思うと悲しくて悔しくて…。

 つづく

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「ミサンガパワー!! last part」…こんな形で大願成就!

・・・ 大ぼけ! 出会いは2005年。
2年目だから…2006年の話し(汗)・・・

 「テレビ見ましたよ」

 プレゼントされたミサンガが切れて、それに結んであったホーリーの
盲導犬認識プレートを噴出。ガックリしていたら、落ち葉の下から
子供たちに発見され手元に戻る。続く小学校でのお話会、新聞取材、
はてはNHKニュースで放送と、立て続けに炸裂したミサンガパワー!
(詳しくは「ミサンガパワー…」のバックナンバーを読んでね)

予期せぬことはたくさんおきたけど、でも、私が本当に望んでいたことは
ただ一つ。「ホーリーが安全にガイドしてくれますように!!」ってこと。

あれはどうなっちゃったんだろう?! と思うと、もしかしたらこれって、
ミサンガもお手上げなくらいかなり難易度の高い願いだったりして…。
(号泣)

 納得いかぬまま台風一過! 悪戦苦闘の平凡な日々が戻ってきました。
が、それは、以前とは少し違っていました。お散歩中、すれ違いざまに
声を掛けてくれる人が増えたのです。

「テレビ見ましたよ」。{ゲッ、あれを…}と、今さらながらNHKの
視聴率の高さを思い、恥じ入りビビる私。(汗) でも、これこそが、
ミサンガが私に残してくれた本当の贈り物だったのです。
まぁ~、私ったら、何てロマンチックに引っ張るんでしょう!(ムッフッ)

 正直言ってその頃の私は、ホーリーと歩いていてもちっとも楽しくなくて、
それどころか、一回のお散歩中に何度切れたことか!(涙) 心の中では
{もうイヤだ!}を連発し、イライラのし通しだったのです。

 頼りのホーリーが臭い嗅ぎをするたび、電信柱だ電柱だと、私は
障害物と大接近。それに、彼自身もその排泄臭に刺激され、
もよおして思わず足が上がり、時には腰が降りて…。(涙)

拾い食いでお腹を壊し、嘔吐の音で慌てて飛び起きる日々。夜中に
床を掃除するその後ろ姿は、どこか「おしん」を彷彿させるような…。
だって、放っておくとそれも食べちゃうし、見えない私のこと、
すぐにやらないと場所の確認ができないんです。(涙)

急に彼が落ちている物に飛びつけば、予想外の動きに段差でつまずき、
階段ならば転げ落ちそうに…。だから、ぶつからぬよう転ばぬよう、
ホーリーの動きに神経はピリピリ。

 そんなだったので、毎日のお散歩は命がけ! 楽しいなんて思ったこと
なかったし、外出はほとんどバトル状態! 気合いが入ってないと
途中で精根尽き果てて、出かけることが出来ませんでした。

 テレビ出演は、周囲にたくさんの見守りのまなざしを作ってくれ、また、その声に「ありがとうございます」と応えている私の顔を
にこやかにしてくれました。切れまくっていた時、ホーリーへの
呼び掛けの声は徐々に少なくなり、表情だって仏頂面だったはず。
(汗)

彼の行動は相変わらずだったけど、それでも、怒りを堪えて無口になっていく私との気まずい歩行とは違い、いろいろな人とにこやかに
挨拶を交わしているうちにこちらの気持ちも切り替わり、怒りを
家まで持ち帰ることが少なくなって来たような気がします。

言葉が判らないからこそ、そう言う心の動きや雰囲気に動物たちは敏感で、
少なくとも、爆発寸前の堪忍袋のような私と歩いている時に比べ、
それは、ホーリーにもよい影響を与えたようでした。

 まだまだ安全なガイドとは言い切れなかったけど、私たちを
見守ってくれる善意のまなざしが多ければ多いほど、視力が必要な場面での
助っ人が、ガイドさんが今まで以上に街中にいっぱい!

時間はかかるかも知れないけど、そんな人たちに助けられながらの
お散歩は、自分たちだけで気を張って歩いていた時とは大違い。
そんな見守りを、ミサンガは用意してくれたのです。

 ミサンガパワーは、瞬時にホーリーをGood dogに変える魔法では
ありませんでした。「チッチッチッ!! 塞翁が丙午、じゃなくて
{馬}。何が幸いするか判りません。一足飛びに行ける未来はないんです。

「♪♪ほ~ら 足下を見~てごらん これが~あなたの~あゆむ道~♪」
っていい歌があるでしょ。気合いと根性で、「ワンツー・ワンツー」と、
365歩のマーチで行きなさい。

努力しないで楽することばかり望んではいけません! ♪ワンツー
ワンツー♪ あっ、これ言うとオシッコしちゃうか! コホン。

そのための応援団は用意してあげましたからね。第一、そんなに
すぐに上手くなっちゃったら、あなた達の代わりに誰が逆PRするんです。
他にいないじゃないですか!!」。パワーからの声はきっとこんな
感じかな?!(号泣)

 こうして、ミサンガに託した私の願いは、見事なくらいすぐには
叶いませんでした。が、何となく自分たちに与えられている使命が
感じられ、その先にある未来に、安全なお散歩があると思えるように
なったのです。でもねぇ~、私の辞書に「努力・根性」の二文字は
基本的にないし、こんな白羽の矢もイヤなんですけど…。(号泣)

☆ほら 足下を見てごらん これがあなたの歩む道
 ほら 前を見てごらん あれがあなたの未来
 未来へ向かって ゆっくり歩いて行こう☆

歌詞引用…キロロ「未来へ」より

☆未来へ☆は、以下のURL(youtube)で聴けます
http://www.youtube.com/watch?v=RSPZYU8h7PE

…「ミサンガパワー」…完…

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「ミサンガパワー!! part 13」…とうとう放送!

・・・ 大ぼけ! 出会いは2005年。
2年目だから…2006年の話し(汗)・・・

 「今日、放送します」

 放送当日の夕方、突然O記者から時間の連絡が。30分のニュース
番組のどこで流れるか判らず、家族全員がテレビの前で待機。

二日間に渡る撮影がどんな風に編集され放送されるのか。あんなに
フィルム回して収録したものを5~6分にまとめると言うんだから
難しそう。果てさて、どんなカットが残されているのかな?

ところが、こんな時に限って電話のベルが…。「誰か~出て~!」
との声は気のせいか私に向いているような…。ありがたいことです。
みなさんにこんなに注目して頂いて。(涙)

始まりました始まりました。ニュースをこれほど心待ちにしたことは
かつてなかったような…。でも…。朝の連続ドラマは、画面の解説があって
助かるけど、ニュースはそれがなく、始まったとたん、全員画面に
クギ付けで、家族によるリアルタイムな解説は全くなし! で、当然
出演者の私とホーリーはな~んにも判らず。でも、主演だから全部
知ってるもんね~、まぁいいか…と、負け惜しみを言うのでした。
(号泣)

と、突然聞こえてきた私の声。それは、確か商店街入り口での
インタビューシーン。質問するO記者の声はなく、私の声だけが
聞こえて来る。上手く編集するものです。イヤ、そうじゃなくて…。
気になったのは決して話の内容ではなく、鼻が詰まったような私の
変な声! (涙)

 誰にも連絡しなかったけど、放送終了後、たまたま見ていた親戚や
母上の友人知人から電話が。一番仲良しの叔母に「変な声だったでしょ?」
とちょっと謙遜して言うと、「そうねぇ~、でもいつもと同じよ。
あんな声よ」と。ショック!!

前々から{もしやそうじゃないか…}と、薄々感じてはいましたが、
やっぱり私、あんな声だったんですねぇ。本人が前面に出ているんだから、
まさか声にフィルターなんてかけないだろうし。(号泣)

 取り立てて訴えるものの全くない私を取材し、こんなに上手に
まとめてくれたOさん。母上が気にしていた黄ばんだ障子も、なぜか
映像では真っ白に映っていた様子。これまたすごい技術です。多方面に
O記者の配慮が感じられた放送内容でした。(Thank's) でも、
親戚のチェックはきっと…。「撮影のため張り替えたのねぇ」。

しかし、出演していルのにサッパリ判らないってやるせないです。
と思ったけど、私は自分の声の変さに気づいただけまだいいかな!
だって、ヒーローのホーリーは、放送中もテレビにお尻向けて寝てたし、
「BOW!」とも言わないから声だって確認出来ない。これって悟りの
境地です。(合唱) で、肝心の「ホーリーとの安全な歩行」祈願
ですが…。

 つづく

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「ミサンガパワー!! part 12」…モニターは見ないのに…!

・・・ 大ぼけ! 出会いは2005年。
2年目だから…2006年の話し(汗)・・・

 「テレビを見ている人に判らないので」

 小学校から戻り、今度は自宅でのインタビューと原稿書きの撮影。
この日のために、念入りに掃除したピッカピッカ…のはずのMy room.(汗)
まずは原稿書きの撮影からとなり、私は、きれいになったお部屋で
愛PC「ピュー太」の前にドッコイショと座りスイッチON。

緊張した面持ちで、それでも軽やかにキーを叩き、スピーカーから聞こえてくる音に耳を澄ましていると、「あの~、モニターつけてくれませんか?」とO記者。「えっ、私モニターいらないんですけど…」。

 目の見えない私たちに画像を写すモニターや、クリックで指示を出す
マウスはいらないんです。本当は、マウスじゃないと出来ないことは
たくさんあって、心底使えたらなぁって思います。(涙)

じゃぁ、ピュー太は特別なPCかと言うとそうではなく、量販店で
けっこう安く買った普通のPC。「ごく普通のPCをごく普通に接続し、
ごく普通にスイッチオン。ただ一つ違っていたのは…ピュー太は
魔法使いだったのです!」。って、何が違うかと言えば…。

普通に買ったPCに入れてある画面読み上げソフト「screen reader」
の存在。画面は見えなくても、その声を頼りにキーボードだけで
操作しているんです。 どうです、想像出来ないでしょ?!

 PCは、情報障害者と言われている我々の世界を広げてくれるけど、なくてはならないSR(screen reader)は万能じゃなく、視力の助け
なしに自力で出来ることには限界が…。

例えば、画像認証には絶対に視力が必要だし、SRがストライキを
起こし、止まったらさぁ大変。いろいろな場面で目の見える人の
助けが必要になります。

だから、そんなときのためモニターもあります。ご存じNさん曰く
「マナティーさんち、モニターあるけど壊れてるんだよね」って、
違うってば! 写す必要がないんだってば!!(ブツブツ)

だから、モニターをつけるのはなんか変じゃない?! それに、
画面をつけて私が原稿を書いていたら、正真正銘blind touchで
操作していても、視聴者は私を視覚障害1級で、な~んにも見えない
人だって思ってくれないんじゃないかなぁ?(汗)

スピーカーから出てくる音を録音し、耳だけを頼りに画面を見ずに
書いている。そんな風に撮れないか相談したけど、百聞は一見に如かず!
タイプした言葉が画面に出てくるのを見ないと、視聴者は確認出来ない
って。確かに!!

見えなくても、耳からだけの情報で文が書ける現実を、画像の助け
なしに信じるって難しいかもしれない。一目瞭然って言うし…。
目で確認するってなんて簡単なんだろう。せめて放送の時に
「みなさんのためにモニターをつけました」と、テロップが流れると
いいなぁ…と思ったけど、それは出なかったのでした。(涙)

家族の中に目の見えない人がいて、この放送で、視覚障害者でもPCが
使えると知ってくれたら、私がこの情報を得て希望を見いだした
ように、前向きな気持ちになってくれたかも知れない。そう思うと、
モニターのスイッチが入っていたこと、本当に残念です。

 さてさて、引き続き部屋でのインタビュー。午前のお話会、前日の
外での撮影とインタビュー、イヤイヤ、それより前からの慣れぬ
お掃除三昧の疲れがたたり…、その頃には集中力にも限界が…!
なんたって怠慢な日々を過ごしているもので。(汗) 

そんなだったので、自慢じゃないですが応答は全てトンチンカン。
O記者が手を変えしなを変え質問するも、彼女が求める答えどころか、
返す返事は訳の解らぬものばかり。この自覚に汗。

と言うか、すでに賢明な皆様ならお気づきとは思いますが…。
もともとポリシーとか、社会的に何かしよう! なんて大それたことを
言うには10年早い。あっ、10年経ったらホーリーはリタイアしてる!(涙)

目標と言うか、願いはただただホーリーとの安全な歩行! だって、
何かを始める前に、とにかく一歩を踏み出さないと! ほら、有名な
宇宙飛行士が言ってたじゃないですか。「私にとっては小さな一歩だが、
それは人それぞれ歩幅が違うから」って。

 こうして、ホーリーも私もグッタリ疲れた二日間は終わり、残るは
放送。楽しみのような恐怖のような…。だって、編集が難しいのは
出演者が一番よ~く知ってますから。(大汗)

 つづく

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