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2008年4月

二年かかるわよ

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「言うこと聞くようになるまでには…」
近隣の盲導犬ユーザーとガイドヘルパー、ボランティアなどが集まる会でのこと。久し
ぶりにたくさんの仲間の盲導犬と会って興奮気味のホーリーを、四苦八苦しながらダウン
(伏せ)させようとしている私に、先輩ユーザーが言いました。「言うこと聞くように
なるまで2は二年かかるわよ」。{ゲッ、にに二年…!!}絶望的な数字でした。(号泣)

「三日、三ヶ月、三年」とか「鉄は熱いうちに打て」って言葉があるけど、正しい意味を
ごっちゃに解釈し、「鉄が熱い最初の三ヶ月が肝腎!」と、根拠のない期限をはじき出し、
{三ヶ月、三ヶ月}と自分にお念仏のように言い聞かせ、頑張っていたのでした。(汗)

 新しい環境にホーリーが慣れるまで、まさか三日じゃ短過ぎるし三年じゃ長すぎる。
きっと三ヶ月が勝負!}と言うのが一応の数式でして…。で、勝手に思い込んでこれを
信念に、7・8・9月の暑い盛りの三ヶ月歩いて来たけど、ホーリーが、共同訓練で
見せてくれたガイドとはかけ離れた今の歩行。でも、涼しくなって来たこともあり、
もう少し頑張れる気がしていたのです。

それなのにそれなのに、出鼻をくじくような先輩の言葉…。{に、二年、二年}と、
頭の中でリフレインしている言葉があちこちにぶつかり、跳ね返ってガンガン響いて
いました。唯一の慰めは三年かからないってこと。(号泣)

 「盲導犬となら、すぐにでもどこにでも行ける」そう思い込んでいた私。どこにでも
行けるようになるには二年経ってから…? テレビで盲導犬を取り上げている番組が
あると欠かさず見てたし、ユーザーが書いた本も読んでたけど、そんなこと言って
なかったし書いてもなかった。そりゃ、少し前に本の中から「犬が変わる!」って現実は
知ったけど、それでも言うことを聞くようになるまで二年必要だなんて書いてなかった!!
(号泣)

 その日、集まった盲導犬とユーザーの中で一番新しいペアが私とホーリー。様子は
見えないけど、さすが諸先輩方は落ち着いて、犬たちも落ち着いているような感じ。私
一人が、シットだダウンだノーだと、何度も何度もコマンドを出しているような…。
中には二年未満のペアもいたと思うけど、気のせいか、騒いでいたのは私だけだった
ような気が…。(涙)

ところが、またまたショックな言葉。ユーザーの中でも顔役のおじさん曰く、「毎日が
バトル」。実際に長年盲導犬と一緒に歩いている人の言葉は重く、新米ユーザーの私は
またも頭をガンガン打ちつけられ、どんどん土中に埋まって行くのでした。{まま毎日が
バトル!!}ってことは、二年後には何とか言うことを聞くようになるけど、状態としては
今と同じことが毎日続くってこと? 集まった先輩たちの爪のあかを集めて廻りたい
気分でした。

が、そのごしばらくし、ホローアップに来てくれたお馴染みN訓練士がいーいました。
「二年ですか? 僕なら八年と言いますね」「八年って…エッ! 引退の目安が十歳でしょ?
ってことは…。最後まで! 毎日!! ショックのだめ押しでした。{毎日ってそう言う
意味だったのかぁ!!}」(号泣)

相手は訓練士。{きっと気を抜かないように戒めてるんだろう}そう踏んだ私は、すぐに
ショックから立ち直り、「そうなんですか~?」と、納得した振りして相づちを打った
のでした。さすがに最後までと言うのは信じられなかったし信じたくない。でも、しかし、
but、そこまで長くはないにしろ、かなりの確率で時間がかかることは確かなようでした。

 初めて盲導犬を使う人と、教育を終えたとは言えまだ若い犬との共同訓練が終わり、
すぐに上手に歩けるペアもいるし、仲良くなるのに時間がかかるペアもいる。いったい
この差は何なんでしょう? ユーザーの性別、犬の性別も関係してるとか? 相性とか
個性とか優しさや人徳とかはここでは置いといて。(汗)

とにかく、私が思っていた三ヶ月ではないことだけはハッキリし、{8年もイヤだし
毎日もイヤだ! だから二年説を信じることにしよう!!}安易な方向に気持ちはなびき、
不死鳥のように三ヶ月説からよみがえり、秋風を受けて歩く日々、またもバトルが再開
されたのでした。(ファイト)

<ポ イ ン ト>

1.言うことを聞くようになるまでにはいったい何年かかるの?

2.心穏やかに過ごしたい。毎日バトルはイヤです

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吠えちゃいけない盲導犬!?でも…。

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「盲導犬は吠えちゃいけないのよ!」
我が家にはブーと言うネコがいます。貸与申請したとき二番目に心配だったのが犬と猫
との相性でした。えっと、一番は犬の名前でした。(汗)(詳しくは「260gの一郎君」を読んでね)

ブーは頭こそ少し弱いものの、弱虫で気のいいおかまちゃんです。なんせ、自分の家の
庭もテリトリーとして守れないほどなんですから。だから、犬が来ても何とかなると
思ってはいましたが、一応、タンスの上にブー用シェルターを用意し、事前にマタタビで
釣って馴らしておきました。…この努力! 見習って下さい。(汗) が、問題は
別の所にありました。

ホーリーが来るまで、私の部屋の前はご近所のおネコ様のメインロード。よくネコ同士が
はち合わせし、深夜にギャーギャー騒いでいました。お隣にも前の家にもネコが
うじゃうじゃいるんです。我が家にもいることを棚に上げてます(汗) これが問題
でした。彼は、ネコが出会い頭にお互いに威嚇しているあの独特の声が嫌いだったんです。

 夜、ネコたちが市中見回りに行く時間。あちこちでネコ同士がご対面の様子。
「フーーッ、ニャァーッ」の声が聞こえると、ホーリーはすぐに一声「ワンッ」と。
その声で目が覚めた私が、すかさず「ノー(ダメ)」と注意。更に続く猫たちの喧嘩の
声にホーリーはなおも吠え、私もノーを繰り返します。布団に入ったまま、夜中にこれを
何度も…。

毎晩続く「ニャァ・ワン・ノー」に疲れ協会に相談。「マナティーさん、ホーリーの
ケージから見えるところに寝られますか? きっと不安なんです」。それまでもホーリー
から見えてたと思うけど、更に彼のケージの近くに移動。ネコが「ニャァー」と泣き
ホーリーが「ワン」と吠え、私が「ノー」と言うこの状況は変わりませんでした。(涙)

 またも相談。「吠えた時の状態は? 立っていたら吠えるのを止めさせるコマンドでは
なく、座らせる、もしくは寝かせる指示を出してみて下さい。それから、可能ならネコの
声を録音して聞かせて慣らせるといいですよ」。{そそそんなぁ~!}夜中のネコの喧嘩
の声を録音だなんて…なんて酷な指示! ン、ちょっと待った! 確か昔買ったアリバイ工作
CDがあるはず。そんなのは…なかったかな…?}と、文句言いつつ、一応前向きには
考えて見ました。(汗) 昼間のお散歩で疲れてるのに、夜中まで「ワン」の声で起き、
立ってたら座らせてだなんて、これからどんどん寒くなるのに…とうんざり。
(シクシク36)

 相変わらず、ホーリーはネコが泣くと吠えます。寝ぼけた声で「フワン」なんて吠える
のをノーで制止を繰り返しながら思いました。{ただ嫌いなだけじゃなくて、本能で
怪しい声に反応しているんだ}って。それに気づいてからは、「ノー」を繰り返すのでは
なく「最初に「ノー」と言ったら、次は「大丈夫!大丈夫!」と言うようにし、ホーリーが
私の手のひらに顔をつけて安心して寝られるよう、ケージの扉は開けたままにし、
吠えたら手でほほを撫でて寝かしつけました。これ、けっこう寒いです。

で、吠える声にすぐに反応しなくては都身構えていたら、そのうちネコが少し泣いただけ
で、ホーリーより早く私がノーと言うようになってしまい、ボンヤリした頭で目を覚まし
ホーリーに触れると、声に気づかなかったようでスヤスヤ熟睡。(笑)

 ある日のお散歩時、それはもう寒盛りのネコが子猫を生んだ春の頃でしたけど、一軒の
家の庭先にいた野良猫の親子と遭遇。ちょうどホーリーが歩くすぐそばです。母猫が子猫
を守るため毛を逆立て威嚇。そう言う時期の母猫のパワーってすごいし、ホーリーが
大嫌いな声をあげまくってるんです、焦りました。だって、毎晩毎晩、心臓が止まるかと
思うほど近くで吠える声を聞いていたんです。{ワァー、吠える~}そう思いました。
早くその場を離れようと賢明に指示を出す私。(汗)

ところが、ホーリーはどんなに威嚇されても全く吠え返しません。もちろん、無視して
歩くよう指示してはいましたが…。母猫は安全圏に犬を追いやるまで威嚇しながら着いて
きていました。そんなことがあって、{ハーネスを着けている時のホーリーは吠えない
んじゃないか?}と予測し、それからのお散歩時、途中で遭う犬や猫たちへの彼の態度を
観察してみました。

小型犬にも大型犬にも、唸り声を発し吠えながら近づいてくる犬がいます。庭から吠え
られることもあるし、中には走っている車の中から吠えかかる犬もいます。どんなに吠え
られても、唸り声を上げられても、ホーリーは一度も吠え返しませんでした。今もそう
です。まだ確実ではないけど、彼が吠えるのはハーネスを外して家の中にいるときだけ、
つまり、お仕事モードじゃないときだけです。

 「盲導犬は吠えてはいけない」。確かに、ユーザーと行動を共にする盲導犬ですから、
吠えてはいけない時や場所はあります。でも、彼らは犬なんです。寂しいときには
「クーン」と泣くし、心配なときは「ピーッピーッ」と声にならぬ声で泣きます。
こんな風に言い直したらどうでしょう?「犬だから泣きます。でも、泣いてはいけない
時は泣かないのが盲導犬」なんてどうでしょう?

ホーリーは盲導犬です。だけど、ハーネスを外せば普通の犬なんです。家の中でも外でも、
お仕事しててもしてなくても泣かなかったら親孝行かもしれないけど、ホーリー君は
泣くんです。それだけのことです。家で泣けばそのうち外でも泣くようになる心配も
ないではないけど、今は現実の問題だけで手はいっぱい頭もいっぱい。取り越し苦労で
悩むゆとりがないんです。(号泣) 

良いこともあります。盲導犬は番犬にはならないと言うのも「泣かない」定説からきて
いるのでしょうが、こう言う訳で、ホーリーは昼間でも怪しげな気配や靴音に反応し、
寝ていてもガバッと頭をもたげ音に耳を澄ましています。悪いところばかり見ないで
気をつけて観察していればプラスの要素もたくさんあります。「吠えちゃいけない」
そればかりが気持ちを占めていた頃には気づかなかった良い点。悪いことばかりじゃ
ありません。(笑み) とすると、匂い嗅ぎも拾い食いにもプラスの面があるってこと?
(やっぱり号泣)

<ポ イ ン ト>

1.盲導犬は犬なんです

2.注意するときはよく観察してから

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雨にも勝てず風にも勝てず!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「音が聞こえないんです」
ホーリーが我が家に来て初めての秋、その年ほど、Welcome状態で迎えた秋はありません
でした。汗でビショビショになりながらのお散歩ももう少しの辛抱。まだまだ安全で
快適な歩行にはほど遠く、問題は山住でした。が、秋風は心地よく、きっとそれだけで
お散歩も楽になるはず…でした。

 確かに、涼しさはイライラの原因を一つ取り除いてくれましたが、新しい問題が…。
それは「雨と風」でした。ホーリーは、四本足が入り、全身を覆うるワンピース型の
レインコートを持っています。防水生地で作られた黄色のそれは、毛色がベージュの
ホーリーにとってもよく似合うそうです。パーフェクトに身びいきです。(汗)ガサゴソ
音はしますが、お腹への泥跳ねも防げるし、何より彼の体が冷えるのを防げます。私も、
お散歩用レインコートを調達し、帽子は撥水加工してある記事で作られたキャップを用意。
意気込みだけは「雨が降っても歩くぞ!」でした。

ところが、必須アイティムが入っているウエストポーチをしたままコートを着ると、
見た目はまるで妊婦さん。相変わらず、コントロール出来ずにいた散歩途中のウンチや
オシッコのため、1・2ベルトを出すにも一苦労!! それに、ホーリー2ベルトを着ける
には、後ろ足をコートから出し、それをお腹の真ん中くらいまでたくし上げないとダメ。
少しの雨ならいいけど、それを3~4回もやるのはちょっとしんどい。

左手にハーネス、右手に白杖を持っている私は、雨が強くなっても傘がさせません。でも、
フードをかぶってしまうと、最大の情報源である頼りの耳が聞こえません。だから、帽子
を麦わら帽子にして首からの雨の進入を防いだりと、けっこういろいろ試しました。
が、それも雨の程度によっては水がしみこんできてダメでした。母曰く、「お風呂
キャップをかぶせたらどう?」と。ただでさえ人目を引きやすいのに、更に視線を
集めそうな奇妙なスタイルを提案する始末。(涙) と言うことで、いろいろ試した結果、
お散歩できるのは小雨の日だけと言う結論に達したのでした。

 秋雨前線が行ってしまうと、今度は風が吹き始めました。寒くてもこれなら何とかなる
と思いきや…。風も雨と同じくらい曲者!! 今度はゴーッ、ピューと風のうなる音で車の
音が聞こえないのです。(涙) 古い住宅街の我が家周辺。歩道がなく信号機もほとんど
ない風光明媚な田舎。ちなみに、5月頃からカッコウが泣きます。(おっと、関係
なかった!)だから、車の走行音が聞こえないと道路が渡れないんです。田舎の住宅街
なんだから車も走ってなくていいようなものだけど、カーナビに「こっちの方が近いよ」
って教えられたドライバーたちに、国道への抜け道だって知られちゃって、本当は
通っちゃいけないような大型トラックまで走ってる始末。どうです、命がけの理由が
ご理解頂けたでしょうか?(号泣)

だから、風がビュービュー吹いていたら車の音が聞こえないんです。こと音だけについて
言えば、風に比べれば雨の方がいいです。だって、濡れた路面を走るタイヤの音は、
晴れた日の走行音・エンジン音より判りやすいからです。それが証拠に、家の中にいて、
突然の雨に一番早く気づいたのは、統計によるとわ・た・し!でした。まぁ、雨の日の
お散歩にもたくさんの問題があることは前述の通り。

 宮沢賢治さんごめんなさい。私たちは雨にも負けて風にも負けてしまいました。ホーリー
のダイエットのためにも私の健康のためにも、毎日しっかり歩かないといけないとは
思いつつ…。でも、お仕事している人と一緒に通勤しているワンちゃんは、もとい。
犬がいてもいなくても視覚障害者の人は、そんな中でも神経をピリピリさせて歩いたり
電車に乗ったりしてるんですね。気をつけて移動して下さい。ホーリーもだけど、私も
恵まれていました。(反省)

そんな恵まれた私たちですが、やっぱり雨風の日の外出はためらってしまいます。
とにかく、気になるのは運動不足。そうは思うけど…。(汗) 「この天気では…」と、
雨だ風だと言っては休みを決め込み、内心{今日は休める}と、雨の具合を外に出て
確かめながらニンマリする私でした。(大汗)

<ポ イ ン ト>

1.雨でもフードがかぶれません

2.風の音で周囲の音が聞こえません

3.そんな日の視覚障害者に手を貸して挙げて下さい

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ハーネスバッグは募金用?

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「そのカバン、中に何入ってるの?」
駅まで行って一休み。Uターンして帰ろうと歩き出すと、おばあさんに呼び止められ
ました。「ねぇ、そこにあるカバン、中に何入ってるの?」。見えない私に「そこ」と
言われても判らないけど、カバンらしき物と言えば私の腰に付けているウエストポーチ。
で、「これですか?」とポーチを持つと違うとのこと。{他にカバンって…?}。
おばあさんは「それ、そこにある…」と、またも抽象的な表現。(涙) {カバン
カバン??}ハッと思い出し、ハーネスにつけたホーリーのウンチ持ち帰り用ポーチを
示すとこれも違うらしい。私はすっかり忘れていたけど(注.見えないと、その存在を
忘れると、その存在はないのと同じ。涙)ハーネスにはもう一つ、通称ハーネスバッグと
呼ばれているポーチがついており、おばあさんが言いたかったカバンってこれでした。
(汗)

「えっと、ウンチを取るためのビニールの予備とか、この子のための備品です。」と
言うと、「お金が入ってるんじゃないの?」。{えっ、お金??}お金なんて一銭も入って
ないけど、周囲には人もいるし、そう言う質問って答えにくいです。携帯している非常用
小銭もほんの少し…。何の話し?(涙) 「いいえ、お金なんて入っていません」そう
言うと、「お金集めてるんじゃないの?」と、何だかおかしな雰囲気になって来ました。

どうやらおばあさんは、私たちが盲導犬のための募金活動をしていると勘違いしていた
らしく、私がどこにもそれらしき箱を持っていないので、ホーリーのハーネスバッグに
当たりをつけたようでした。「いいえ、お金は集めていません」という私の手を取り、
「二百円、持って行って」と、手にお金を握らせたのです。丁寧にお礼を言って納めて
もらいましたが、一度出した物を引っ込めることに気が引けるのか、「お金出したのに」
と、これもばつが悪そうに言います。かと言って私が頂くわけにも行かず、近所で募金箱
を設置しているホームセンターと歯科医院を教え、寄付ならそちらへとお願いし、
ようやくお金を納めてもらえました。おばあさん、でも、とっても嬉しかったです。
(感謝) あっ、私に握らせてくれようとしたことじゃなくて、もちろん募金への
お気持ちです。(汗)

 盲導犬協会が用意しているラブラドール形の募金箱があります。それを設置するには、
書面で申請しなければならず、私たちユーザーは申請者の対象外です。聞いた話ですが、
ラブちゃんの募金箱が可愛くて人気があり、YAHOOのオークションに出ていたことがある
とかで、以後、ラブちゃんの募金箱設置チェックが厳しくなったとのこと。ウ~ン、
やっぱオークションはまずいでしょ、まずい!

ユーザーはそのような形で募金は出来ませんが、協会が主催する募金活動のお手伝いは
可能です。デパートで催される盲導犬普及のためのイベントに参加したり、時に、駅前
コンコースなどで協会の方々と一緒に並び、通行人に募金をお願いしたりもします。

ホーリーは、日本盲導犬協会から貸与されている盲導犬です。その育成にかかった費用は
もちろん、全て募金が充てられています。最近では、視覚に障碍を持つ住民のため、
都道府県が毎年一頭分の金額を寄付し、盲導犬の枠を確保したりもしています。企業や
団体が一頭分、二等分として寄付している例もあります。

寄付は金銭だけとは限りません。協会内の、グッズ販売をしている支援センターで買ったホーリーの服は、ペット衣料製作会社からの寄付で、サイズが合えばお得…と言う品。
盲導犬が公共施設に入る際、毛飛び防止のため服を着せますが、大型犬の服ってすっごく
高価なんです。(涙) ホーリーの場合ピッタリのサイズがあり、お手頃価格で入手
できた二着の服は、お出かけ着として大活躍しています。

きっかけは「目の見えない人と盲導犬が歩きやすい町にしよう」と言うこと。社員全員で
道路掃除や草取りを続けていたら、周辺の人たちも加わり、結果、町の美化に繋がった。
と言った形の献身の話も聞きました。(感謝)

 ホーリー用ポーチの中には、何と、病院から「何かに使えないでしょうか?」と、
協会に届いた品、湿布薬が入っていたファスナー付きの袋が入っています。外出の途中、
外でウンチをしてしまった時など、ビニールの口を縛りその袋に入れれば、完全では
ないにしろ、匂いを発散しないで持ち運べます。確かに、 何かをするにはお金がかかり
ます。でも、こんな形の協力もあります。

 私が募金活動していると思われたのは、今のところその一回だけですが、訓練士と
間違われることはけっこうあって、中には「盲導犬になるんですか? それとも介助犬
ですか?」なんて。白杖持って危なげに歩いてるのに、どうして盲導犬と歩いている
視覚障害者と思われないのかな~?何だかよく判らないけど、お散歩中と思われないのは
どうしてなんだろう?? (詳しくは、バックナンバー「私は見えない訓練士」を読んでね)
服がいけないのか? 気合いの入れ方がお散歩とは思えないのか? もう少し経てば、
私にもホーリーにも「楽しくお散歩していま~す」みたいなゆとりが、そこはかとなく
漂ってくるようになるのでしょうか?!(期待&哀願)

ポ イ ン ト>

1.ユーザーは歩きながら募金はしていません

2.可能なら、可愛い募金箱を設置して下さい

3.誰かのために何かする献身

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ワンちゃん偉いねごみ拾い!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「あのワンちゃんお利口なのよ!」
町を歩いていると、ときどきこんな声が聞こえてきます。子供連れのお母さんが、
お子さんに目の見えない人のために働いている犬がいることを教えているのでしょう。が、
こんな声が聞こえてくるたび、私はいつも{どうかこの親子の前を無事通過できます
ように!}と、八百万の神に祈らずにはいられません。

 駅前のバス停付近を歩いていた時のことです。「あのワンちゃんお利口なのよ! 
お仕事してるのよ」と、いつもの声が聞こえてきました。{まずいなぁ!}それは私の
本心でした。(汗)

バス停付近には、食べ物のゴミやタバコ、ガムなどがたくさん落ちているんです。
それは我が町の恥!そして、これは我が子の恥ですが、拾い食い癖のあるホーリー君の
大好きな場所、パラダイスでもありました。(涙)

だから、こんな場所でのお母さんのお褒めの言葉は、私にはプレッシャー以外の何者でも
ありません!! (汗) {ホーリー君、子供の前です。どうかお母さんの期待を
裏切らないで下さい。お願いです!!}と、親子で興味津々で見ているであろう私たちの
一挙手一投足。そんな視線を意識した私は、緊張でコチコチになりながらギクシャク
歩くのでした。が、そんな願いも空しく…。

 ホーリーが左側にパッと横飛びし、何かくわえた様子。すかさず「アウト」と命令し、
彼の口元に手を広げ、更に「ノー アウト」と、くわえた物を出すよう指示するも、
ホーリーは指示を聞きません。(汗) 私は彼の口の中に手を入れ、くわえていた物を
取り出しました。(涙)

 それはティッシュでした。しかし、何でこんなに大量に落ちてるの? と聞きたくなる
ほどの量。残り少ないティッシュボックスから一枚取ろうとして、中が全部出てきて
しまったような多さ。ウ~ン、どうしていつも表現がリアルなのか? 我ながら
ビジュアル的思考だと思います。そうそう。口から取り出した後、ここからが難解!(汗)

取り出した物はすぐに処理してはいけません! 取り上げられたと思っている所にサッサ
と処理されたら、次回は急いで飲み込んでしまうからです。だから、本当は自分で口から
出した訳じゃないけど、取り上げた物をそのままホーリーの口元で見せながら、「アウト
グッド グッド」と褒め、「君は今、とってもお利口だったね。偉い偉い!」って褒め
ちぎります。口から出した行為として褒めるんです。

{つい食べちゃったけど、ちゃんと出せば褒めてもらえるんだ}と思ってくれたらしめた
もの!! でもねぇ~、見えないと、よっぽどハッキリした動きじゃないと食べたかどうか
判らないし、それに、{この人に褒めてもらいたい!}と犬が思ってないと効果なし!!
(号泣)

 とまぁ、こんな風にホーリーを褒めてから、自賛のビニール袋にティッシュを入れ
たのです。本当はそのまま捨てていきたいけど、捨てればまたホーリーが飛びつくのは
目に見えていて…。一連の行動を見ていた子供が言いました。「ワンちゃん偉いね、ゴミ
拾いしてる」。あぁ~、とうとう恐れていたことが…。(号泣)

 大量に落ちていたティッシュは目につくし、それを口から取り出した私は犬を褒め、
拾った物はしっかり袋に入れてるんですから。更に間の悪いことに、その日ホーリーの
お尻には袋がぶら下がっていました。あちこちで粗相してしまうため、訓練士の許可を得、
ウンチをさせる時に使う袋を付けていたんです。決定的に恥ずかしいスタイルですが…。

ほらっ、観光地で馬車を引く馬のお尻に、ぶら下がっているあれと同じ感じです。その
子は{今はあのお姉さんが袋に入れたけど、大きな物は、ワンちゃんがお尻につけている
あの袋に入れて運ぶのかも知れない}なんて思ったかも…。全くついてないです!(涙)

お母さんの声は聞こえてきませんでした。恐らく、顔にはすだれがかかっていたでしょう。
予期せぬ出来事に、どう対処したら良いか思案していたのかも知れません。(涙) 
{ワンちゃんのお仕事って何だろう?}と、その子は一生懸命ホーリーを見て考えて
いたでしょう。だって、お母さんは、どんな仕事をしているか教えてくれなかったん
ですから。

{きっとゴミ屋さんだ!}と思い、得意げに言ったのに、お母さんは相づちを打っても
くれないし褒めてもくれません。もしかしたら、お母さんが私に失礼と思い、子供を
にらんでいたのかも…? 二人の声は、私たちがそばを通り過ぎた後も聞こえて来ません
でした。よりによって、教育的指導している親子の目の前で拾い食いしなくたって…。
(号泣)

 {あのお母さん、子供にどんな言い訳してるのかな?}と、ブルーな気持ちで保育園の
そばまで来た時です。園庭で遊んでいた女の子がフェンスのそばを歩いているホーリーを
見つけました。そして私に言ったのです。「ワンちゃんゴミ拾いしてるの?」。そのとき
彼は拾い食いはしてなかったけど、お尻には袋がついたままでした。{あ~ぁ、何とか
排泄を管理しなくちゃ!!}と、ゴミ拾いワンちゃんじゃなく、盲導犬として有名に
なりたいと、薄すら涙の私でした。(号泣)

<ポ イ ン ト>

1.お尻に袋ぶら下げて歩くのは誤解のもと

2.ホーリーの仕事は見えない人の歩行ガイド

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謎のシルバーカー Long version.

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「私ならいいのよ」
毎日同じ時間に歩いていると、やっぱり同じ時間に歩いている同じ人に会うものです。
歩き始めの頃は、安全に歩くだけで精一杯でゆとりなんか全くなくて、緊張でピリピリ
している必死さが伝わるのか、すれ違う人から挨拶されることもありませんでした。
もちろんこちらからは無理な訳だから、ひたすら孤独に、恐らく怒ったときの大魔神
のような恐ろしげな顔で歩いていたんじゃないかと…。(汗)

 シルバーカーの音は、いつも同じ道で聞こえていました。たぶん我が家の近所の人
なんでしょう。曲がり角をすっ飛ばすホーリー。でも、ゴロゴロと言うシルバーカーの
音が聞こえてくると、{あっ、ここが角!}と判るのでした。呼び止めて道を聞いた
こともありました。

その頃、私たちが歩くお散歩ルートに幅が出来つつありました。とは言っても、同じ
ブロックを右回りで行くか左周りで行くか程度の違いでしたが。その日の私たちは、
ホーリーの希望もあり右の道を行くコースを選びました。どちらを選んでも目的地は
同じで大差ないんですが、横浜育ちの浜っ子ホーリーは、私にとっては安全で静かな道
より、多少車が行き交っている方が好きみたいです。

ただ右ルートは歩道がなく、イヤ、正確に言うと車道と歩道を区別している長方形の
ブロックで仕切られた歩道はありますが、歩道幅がせいぜい90cmくらいと狭く、しかも
ゴミ収集日にはそれらが歩道を占領し、更に、道路に面した各々の家の駐車場に入れる
車用に、ブロックはあちこちで寸断され飛び石状態! ずっと続いている訳では
ないんです。

だから、私とホーリーが並んで歩けば、あるときはゴミを避けるために道路側に出るし、
そこにブロックがあれば私は転びそうになります。ただでさえ、ゴミの横をホーリーと
何事もなく素通りするのは大変なのに…。(号泣)

 その日、少し前から、私たちの後ろにはおばあさんのシルバーカーがついてきて
いました。同じ方向に行くんでしょう。{まずいなぁ!}と、ゴミや路肩の臭い嗅ぎを
しながら歩いているホーリーを急き立てますが、全く無視。ゴロゴロ音はどんどん
近づいて来ます。ブロックが切れた所からいったん道路に出れば、私たちを追い越して
また歩道に戻れます。でも、車の通りが激しい道におばあさんを出したくはないし…。

ホーリーと路肩にへばりつき{お先にどうぞ}と道を進めるも、おばあさんは「私なら
いいのよ」と言って動こうとしません。{ちっともよくない!}と思いつつ、ホーリーを
急かす私でした。(涙)

その後もづっとついてきて、私たちが止まるとシルバーカーも止まり、また歩くとついて
きます。全く、ホーリーは私の焦りも何のその! マイペースでクンクンを続けながら
歩いています。(涙)

 「チリンチリン」。とうとうシルバーカーの後ろに自転車が来てしまいました。簡易型
歩道と言えども一応歩道な訳で、自転車が通ってもいいのかどうか判りません。が、
交通量が多い道路側はみんな怖いんです。あ~ぁ、だけどどうしよう。これじゃ渋滞の
トップだぁ?! またも路肩に身を寄せ「自転車が来てますから、どうぞ先に行って下さい」
とおばあさんを促すも、「大丈夫よ。自転車なら道路に出て行っちゃったから」と。
{イヤ、そう言う問題じゃなくて…。また次が来るでしょうし…}と言いたいけど
言えませんでした。(涙)

そうこうしているうちにようやく十字路に出て道が広くなりました。それでもおばあさん
はついてきます。今度こそ先に行ってもらおうと堅く決心。「この調子ですから先に
行って下さい」と、ほとんど哀願状態で頼むとおばあさんは言いました。「あなたの家
までついていこうと思って」{???}

続く話はこうです。「最近、この辺でよくあなたを見かけるけどどうも道に不案内
らしいから、あなたの後から一緒に行って家を確かめ、次に困っていたら教えてあげよう
と思って」と。(感激の涙)

そうなんです。私がシルバーカーの音を心待ちにして立ちん坊している時は、当たり前
ですが、いつも道に迷って困っているときばかり。その姿は、はた目にも頼りなく映ったのでしょう。

さっきまでは{先に行ってくれないかなぁ!}とうさんくさく思っていたおばあさんも
シルバーカーのごとごと音も、一瞬にして暖かいものに変わってしまいました。(笑み)

 鬼太郎おばさん同様、おばあさんのシルバーカーのゴトゴト音も、ホーリーがきちんと
角を教えてくれるようになった頃から、いつの間にか聞こえなくなっていました。
あんなにいつも聞こえてきたのにと思うと、それはそれで寂しい物です。
「あなたの家までついて行こうと思って…」って、こんな優しい言葉これからも聞けたら
いいなぁ。あっ、でもストーカー勧誘ではありませんのであしからず。(笑み)

<ぽ イ ン ト>

1.聞こえてくる音は私の大切な道しるべ

2.初めて触れたこんな優しさ

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血漿(けっしょう)が出ています!!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

「血漿(けっしょう)が出てますねぇ」
暑かった夏を何とか乗り越え、ようやく歩きやすい季節になった頃、ホーリーに大問題が
発生。彼の尿から血漿が出たんです! 盲導犬ユーザーは、春と秋の年二回、犬に健康
診断を受けさせ、春の検診結果は協会に提出する義務があります。健康面の管理はとても
厳しいんです。ご存じでしたか? 私は知りませんでした!(汗)

 その日、お散歩を兼ねてホーリーの秋の健康診断に。採取したオシッコが蒸発する
んじゃないかと思うくらいテケテケと時間を掛け、ようやくクリニックに到着! 
決められた項目に沿ってホーリーを診ていたドクター。尿検査の結果が伝えられました。
「血漿が出ていますねぇ。PH(ペーハー)値もアルカリ気味です」と。何だかよく
判らないけど良くないみたい…。ドクター曰く、「膀胱の細胞が剥がれて尿に混じって
出ています。膀胱炎が引き金になることが多いけど、体質もあるから。放っておくと
剥がれ落ちた細胞が固まって石になり、尿管に詰まる、いわゆる尿路結石になります」と。

人間のそれは聞いたことあるけど、まさか犬にもそんな病気があるとは思わず、聞いた
ときはショックでした。だって、その病気の人が言うには、オシッコに混じって石が出る
ことがあって、そのときすっごく痛いって。ホーリーは何も言えないから、そんな痛い
思いは絶対にさせたくない。どうしたらいいんだろう…。(号泣)

目安はPH値だけど、酸性でも血漿が出ている症例があるとか。とにかく、その日から
フードを処方食に替え、抗生物質を飲ませながら治療開始! ドクターの所で買った
フードを背中にしょい、不安な気持ちで帰宅したのでした。

秋の検診に報告義務はありません。でも、ホーリーに尿路結石の兆候があるとの診断は
重大事。早速担当のN訓練士に報告しアドバイスを受けたのでした。(感謝)

 二週間後、尿持参で再訪。検査の結果は、投薬と処方食のお陰で血漿は出ていなかった
けど、相変わらずPH値はかなりアルカリ性。今後の治療をどうするかと言うことになり、
N訓練士に聞いたPhコントロール食についてドクターと相談。協会関連の犬で、ホーリー
と同じような症状の犬に食べさせ、PH値を管理している実績あるフードとのこと。ドクター
同意の上、これまでのフードからコントロールフードに変更することに決定したのでした。

フードが変わると受け付けない犬もいるそうですが、食いしん坊だけあって我が家の
ホーリー君、嫌いなフードはないと言う親孝行。(笑) フードを替え、月に一度の
尿検査で管理していくことになったのでした。

 ホーリーの抱えている病気、尿路結石を予防するためには、その大本の原因となる
膀胱炎にならぬよう気をつけることが第一。と言うことで、コントロール食は犬がお水を
ほしがるよう作られているそうで、「一日1.5l以上のお水を飲ませて」とは訓練士の弁。
飲めば出る訳で、ただでさえオシッコの近いホーリー君、更にオシッコの回数は増えたの
でした。(号泣)

 ペットボトルにお水を入れ、それを一日で飲ませるようにしました。夏ならともかく、
気温が下がる季節、1.5lのお水を飲ませるのは大変。そこで、フードに湯を入れ、ドライ
フードに水分を含ませるようにしたりとけっこう工夫したのでした。(涙)

それでも、よほど散歩で喉でも渇かない限り夏ほど水は飲みません。それほど冷えて
いない水でも、飲めば体が冷えると本能で知っているんでしょう。だから、その頃
ダイエットのためフードに混ぜていたキャベツのゆで汁を保存し、それをお湯で更に薄め
暖めてあげていました。ほんのり甘く、人肌に暖まったゆで汁をホーリーは喜んで飲んで
くれました。食いしん坊もこんなときは親孝行に思えるから不思議。ほんと、勝手だけど
安堵しました。(笑み) それから今日まで、キャベツスープと名付けたホーリー用
スペシャルゆで汁は、我が家の冷蔵庫から消えた日はありません。

で、オシッコは、朝起きてから寝るまで数えてみたら約10回、ほぼ90分おきにオシッコ
タイム。(涙) お昼寝している彼を「ホーリー、1・2ですよ~!」と起こしても肝腎
のホーリーはとにかく面倒くさがり屋で、{我慢できるもん!}と、テコでも起きず
動かず…ってこともしょっ中でした。無理に起こしてさせてみると半端な量じゃないのに、
そうまでして寝ていたいなんて、寝ぼすけも実は私にそっくりだったりして…。(大汗)

そんな訳で、お散歩中のオシッコも3回くらいあるから、何だか一日中彼のトイレの心配
ばかりしている感じ。(涙) まぁ、お散歩中のオシッコは本来して欲しくない
マーキング的要素が多分にあり、数に入れてはいけないかもしれないんですが…。(汗)

歩行中の排泄問題で悩んでいたのに、そこに持ってきて大量の水を飲ませているんです
から推して知るべし、私にとってお散歩は、以前より更に緊張を強いられるものとなった
のでした。(涙)

 こうなると、もう自分の生活のリズムはどこへやら! ホーリーの生活のリズムに
合わせ、合間に自分の時間があるような…。でも、お水を飲ませないと病気に影響するし、
飲ませれば出るし…。庭にある彼用トイレに連れて行き、済めば四本の足をタオルで
拭き拭き。家の中にいるんだから、跳ね返りのオシッコもきちんと拭かないとね。
終わったらタオルは次に備えて石鹸でゴシゴシ、まるでお女中です!!(号泣) 

盲導犬が目の見えない人たちのガイド役として歩いている時間と、ユーザーが彼らの世話
をしている時間を計りにかけたら、一体どっちが下がるかな? それにしても、盲導犬と
暮らすって思っていた以上に大変で、気合い入れて根性決めてかからないと
続かないです!!(フーッ、疲れる)

<ポ イ ン ト>

1.犬にもある尿路結石

2.膀胱炎に要注意

3.お水はきちんとあげましょう

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役に立てたし楽しいし!!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「湿布薬もらってきてくれる?」
盲導犬が来たら、すぐにどこにでも行けると大間違いしていた私。思っていたほど楽に
歩けないことに愕然! それでも少しずつ良くなっているような気が…、するような
しないような。(汗)

 線路の向こう側、駅のすぐ近くにある町医者に行きたいと思い、協会に訓練士の派遣を
依頼。お世話になりっぱなしのN訓練士が来てくれました。駅の改札までは毎日行ってた
コース。そこからUターンせず、反対側に下りれば医院はすぐそこ。のはずが、これが
また、大きな柱ありの、ベンチやバスの時刻表ありの、おまけにファーストフードの
お店やコンビニ、タバコのポイ捨てetc、食べ物やゴミもけっこう落ちてるらしい。(涙)
 それでも行かなきゃ! さぁてと、西口でも悪戦苦闘の始まり始まり!!(号泣)

 医院は駅からほんの100mくらいなのに、何でこんなに遠いんだろう? 信号機は
ないし、見える所に交番があるのに、頼りのお巡りさんの変わりに電話機が一台。
「お巡りさん、どうしてそんな姿にされちゃったんですか? で、犯人に心当たりは??」
と問いたい私。(汗)

交番の目の前なのに、電話機と化したお巡りさんを侮った人たちの路上駐車。あと一歩で
医院なのに行く手を阻まれた私たち、最後まで気を抜けません。どうやら、線路の
こちら側のバリアも高そうです。(涙)

 盲導犬との共同訓練に入る前、受診した健康診断でコレステロール値が高かった私。
そりゃそうです。ろくに歩きもせずラジオ体操もせず、きちんと三食、毎回おかわり付き
でおいしく頂き、プラス10時と3時のおやつ、食後のデザート、更に夜食と、なんの躊躇
もなくしっかり頂いていたんですから、これで太らなかったらギャル曽根ちゃんです。
と言うことで、見えていたときに着ていた服はすべて着られなくなりました。(涙)

そうそう。だから、コレステロールを下げる薬を服用していたんですが、ホーリーが
来るまで頼りはいつも母。だから、彼と医院に行き、受信し薬ももらってこられたときは、
また一つ自分で出来ることが増えてすっごく嬉しかったし、もちろん家族のための薬も
もらってこられます。ほんの少しの恩返し…。(うれし涙)

 ホーリーの足を拭いて待合室に。昔からの医院だから土足厳禁。足拭きも大変だけど、
下駄箱がなく、脱いだ靴の場所を確保しておかないと帰りが大変。その点、患者が
ほとんどいないこの医院、いつもすいてるし先生ともゆっくり話せるし…。(これって
本当は涙?)

頑張ってここまでガイドしてきたホーリーは、自分でもそれが嬉しい様子。尻尾を
ブンブン振りながら私の足に顔をグリグリしてきます。残念ながら、まだほとんどの医院、
病院が盲導犬と一緒に診察室に入ることを拒否します。理由は判らぬでもないんですが、
例えあまり患者が待っていないような医院でも、主(一応)の姿が見えない場所で、
自分だけがどこかにリードを固定されポツリと待っている不安! ホーリーを待たせて
いる私だって心配です。犬好きの人ばかりとは限らないし、食べ物をあげられても
困るし…。

ホーリーは、本当に寂しがり屋で甘えん坊宇。だから、診察室から私が出てくるとホッ
とするようで、立ち上がって尻尾をブンブン! 近づいて行くと、来たときと同じように
顔をグリグリして喜びます。心細かったんだろうなぁと思うと、先生との話が長引いて
しまったことを反省。

だってここの若先生、暇だからか、だから暇なのか、便秘の相談をすれば「バナナがいい
です」とか、「体を温めるにはYOGI teaがいいです」とか、ヨガだタイ式マッサージだ
アーユルベーダだと、メチャクチャ西洋医学の異端のドクター! 話してると楽しいん
です。で私もおもしろがって、「そう言えば、サイババはどうなったんでしょうね?」
とか、「アガスティアの歯って本当でしょうか?」なんて水を向けるものだから、先生は
益々おもしろがって二人で盛り上がるんです。もちろん、待合室に人がいれば水は向け
ないし、話しの最中にも耳はロバの耳にして、患者が来た気配には注意をはらっています。
(汗)

 いつものように、巾着型リュックに薬を入れて帰宅。「暑かったでしょ?」なんて
ねぎらいの言葉が妙に嬉しかったりして。{あぁ、たかが薬をもらって来ただけだけど、
私もようやく役に立てた!!}なんて思いでいっぱい。(号泣) 自分のためにもなって、
微力だけど人の役にも立てて、ホーリーの尻尾ブンブンも久しぶりに感じたし、おまけに
先生との話は面白いし…。役に立てて楽しいなんて最高! やっぱり問題は町の
バリアだ!!(号泣)

<ポ イ ン ト>

1.町中がゴミ箱みたい

2.人の役に立てて、プラス面白いことがいっぱい

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盲導犬はかわいそう!?

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

「盲導犬を見ると可愛そうになっちゃう!」
 その日、私のかたわらにはすでにお馴染みのN訓練士がいました。歩く範囲を広げる
ため、新しい道の安全な歩行の仕方を指導しに来てくれたのです。駅前で一休みして
いると、私たちの前を通りすぎる人が言いました。「可愛そうに…。私、盲導犬見ると
可愛そうになっちゃう」。ショックでした。これまでも「テレビで見るほどお利口じゃ
ないのね」と言った声は聞こえて来ました。でも、「可愛そう…」って言葉は、一見
彼への哀れみのようで、実は、ユーザーである私に向け放たれた矢です。同じ人かは
判りませんが、あの日から今日まで、テレビからの印象と同じくらい何度も聞こえてきた
悲しい言葉です。

 その人が思う「可愛そう」ってなんなんでしょう。真意を知るすべもなく、ずしりと
重いその言葉を今もしっかり受け止めています。私ってけっこうしつこい性格なんです。
(汗)

で、こんなことを考えてみました。 一体、犬にとって「可愛そう」じゃない生き方って
どんなだろうって。猫にとって、鳥にとって、ウサギやカメにとっての生き方って…。
えっと、これ全て我が家の同居人たちです。ワールドワイドに万物の幸せについて考える
前に、まずは我が家の住人たちの幸せについて考えてみました。「どう思いますか?」と
マイクを向けてもうちの子たちってシャイなもので…。それに、ここでラクダやワニの
生き方を問うには印象が薄すぎて…。(汗) と言いつつ…。イヤ、全ての動物・生き物
にとっての「可愛そう」じゃない生き方ってどんなでしょう?

 思うに、「木を見て森を見ず」じゃないけど、盲導犬を見て傍らにいる視覚障害者を
見ていないんじゃないかな? 通りすがりの人に「可愛そう」って言われたいのでも、
同情して欲しい訳でもないです。もちろん「同情するなら金をくれ!」なんてことも
言いたくても言いませんけど。(古い!) ウ~ン、今日のテーマは重い!! 重すぎる
のでタイトルを替えて小出しに書こうっと。イヤ、それくらい、障碍の問題を取り上げる
ってことは大きいってことです。(一段落)

青く見える隣の家の芝生も、お隣に行ってよーく見せてもらえば「な~んだうちと同じ
じゃないの!!」ってことはあるはず。どんなに幸せそうに見える家族にも、それなりの
問題があったりするものです。でも、あのおばさんの場合、家にも親戚にもたいした
問題がなくて、人が困るってことがどう言うことか判らないのかも知れない。

 視覚障害者が盲導犬と一緒に歩く理由の一つに、好きなときに出かけたいって言う
気持ちがあると思うんです。そりゃ、白杖を使って単独歩行している視覚障害者も
いるけど、失明した年齢とか見えない歴とかの違いは大きいです。家族がいてもそうそう
自分の好きな時につきあってはくれません。自立支援法とかがあって、ガイド
ヘルパーを優良で頼めるけど、買い出しに行ったりその辺をブラブラしたいだけなのに、
私たちの歩行にはお金がかかるんです。しかも、自己負担だけではなく皆さんの税金も
使われてるんです。

家族や、周囲にいるであろう目の見える人が手を貸してくれれば不要な法だろうけど、
そんなのは理想です。視覚障害者にとって、盲導犬は単にガイドドッグではありません。
だけど、その一点だけ取ってみても一番のパートナーなんです。

盲導犬は、イヤ、ホーリーは、パーフェクトでもスーパードッグでもないどころか、ただ
普通に歩くだけでも大変な子です。だけど、ハーネスを着けて、仕事を強いられている
から可愛そうと言うなら、たぶんそれは違います。一人で歩くより遥かに安全に、自分の
好きな時に一緒に歩いてくれる子を、大切に思わないユーザーはいません。(と思います)

 私は中途障碍だから、もしかしたらだけど、見えないってことがどんな事か、
見えていたからこそ、一度も何も見たことのない視覚障害者に変わり、見えている人たち
に発信できる何かがあるかも知れない?!

だからおばさんに言います。盲導犬を可愛そうと本心から思うなら、どうぞその犬が
困るようなこと、ユーザーに叱られるようなこと。つまり、歩道を自転車で走ったり
飼い犬に所かまわず排泄させたり、視線と視線を合わせたりetc。そんなことをしないで
下さい。そして、盲導犬がユーザーから褒められるよう、「今、自転車避けたんですよ」
みたいに、見えなくて判らなかった犬たちの上手なガイドを、あなたの目を通して私たち
に教えて下さい。そうすれば、人と犬はもっともっと仲良くなり、仲良くなれば、
もっともっともっとガイド上手、褒め上手になります。楽しそうに視覚障害者と歩いて
いる盲動犬の姿を見れば、可愛そうと思った気持ちもすっ飛ぶでしょう。と、あのとき
おばさんに言えてたらなぁ~。(ポリポリ…号泣)

<ポ イ ン ト>

1.木ばかり見ないで森を見ましょう

2.歩いたり自転車に乗れるのは素敵なこと

3.仲良くなる手伝いをして下さい

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お散歩嫌いは三つ子の魂!!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「あの子は散歩が嫌いでねェ…」
ホーリーと歩き始めて数ヶ月経った頃、彼のパピーウォーカーさんだったFさんと連絡を
取りました。生後2ヶ月から約10ヶ月、いたずら盛り・やんちゃ盛りの子犬時代お世話に
なったボランティアさんです。昔は、センターに戻ったら対面も叶わず…と本で読み
ましたが、今はそんなことはないようで、現に私とホーリーも、出会ってから1年と
少しでFさんと一泊旅行をしています。もちろん、事前にきちんと訓練士さんに相談
しましたけど。

 電話口に出られたご主人との時候の挨拶も済み、次に聞こえてきた言葉は、「あいつ
元気にしてますか?」でした。その瞬間、ホーリーがどれほどFさんに愛されていたかが
伝わってきました。ご主人の言葉は続きます。「あの子は生まれたとき小さくてね。
育たないんじゃないかと言われてたんですよ。こちらは空気も良いしそれで預けられ
たんじゃないかな」。私の手元にはすでに繁殖犬ボランティアさんからの育児記録(?)
アルバムが届いており、その辺のことは知っていました。特別待遇で一番にライカママの
オッパイを飲ませてもらったように、Fさんの所で過ごした子犬時代も、かなり病気を
して大変だったようでした。(感謝)

「ホーリーは散歩が嫌いでねェ。歩きたくないと座り込んで動かないから家内に車で
迎えに来てもらったり、好きに歩かせると家に戻るか、子供が好きだから小学校の方に
ばかり行っちゃうんです」。ホーリーの子犬時代のエピソードはどれもほほえましく
楽しいものでした。が、聞けば聞くほど今の苦労に繋がるような…。(号泣)

 そうなんです。歩きたくないと座り込んでてこでも動かず、チェーンショックで叱って
もダメ! 別のコマンド(指示・命令)で動くきっかけを作ろうにも無視! 影に座り
込んでくれればまだいいのに、けっこう陽が当たってたり…。最後はおしりを抱いて持ち
上げ、リードで引きずって歩いたりしてたんです。これぞほんとのリード!(リードって
引き綱の意)(涙)

お散歩コースは、家からしばらく直線コース。家族が遠目で見ていて「ずいぶん
動かなかったけど何してたの?」なんて言われることもしょっちゅうだったんです。(涙)
犬が散歩嫌いだなんて! どうしてこうも主の私に似てるんでしょう。イヤ、私は犬では
ありませんが、散歩が嫌いな人間なんです。出会うべくして出会った二人、そんな気が
したものです。(汗)

 我が家の近所にも小学校があり、お散歩の行き帰りは必ず横を通ります。訓練センター
で人と犬をカップリングするとき、もしかしたらそんなことまで考慮してたんでしょうか?
散歩が嫌いなホーリーでも子供たちに会える場所が近所にあれば、とりあえずはそこまで
歩くんじゃないかって。まさかとは思うけど、パピーさんの話を聞いて何だかそんな気が
してきたのでした。(汗)

寒い冬、子供会で火の用心の夜回りに出かけたホーリー。30分も経たぬうちに子供たちを
残して帰宅。サッサとコタツに潜り込み、暖まったらようやく頭だけ出して「フーッ」
と安堵してたって。ハハハ、寒がりまで似てるんです。

極めつけの情報は、幼い頃からやっぱり食いしん坊だったってこと!(涙) おせんべい
の袋を開けようとガサゴソ音がするだけで、どこからかすっ飛んできたって!! 散歩が
嫌いで食いしん坊だなんて、これじゃセンターに戻って来たとき27kgあったのもうなずけ
ます。ライカママのお腹の中で食べ損ね、260gとかなり小さく産まれた分を取り戻してる
んでしょうか?

 電話口で語られたパピーさんの記憶にあるエピソードは、全て今のホーリーそのもの
でした。まだ暑さしか経験していませんでしたが、車でお迎えも、コタツで暖を取る姿も
容易に想像できるのは、ホーリーの小さいときと今がそれほど変わっていないから。

今に繋がる思い出話しの数々。聞きながら、私の顔にはスルスルとすだれが下りはじめた
のでした。だって、そんなこと訓練士はなんにも教えてくれなかったから。{もしか
したら…?}とは思っていても、さすがに心の準備なしで知った現実にはショック!!
(涙)

{三つ子の魂百までもって言うけど、大人になれば分別もつき、それなりに何とかなる
んじゃないのかな? 自信ないけど、私だって何とかなってるし…。まぁ、問題は程度
かも?}と、谷底からはい上がる獅子の子のように、すだれを持ち上げる私でした。

エット、よく、親の立場からの物言いで「獅子は我が子を谷底に突き落とす」とか何とか
「厳しさも必要」みたいに言いますが、こうして何度も落とされて見ると、獅子の子の
気持ちがよ~く判るんです。やっぱり親は、まずははい上がれる深さか否か、身を持って
体験して欲しいです。深さによっては親だってはい上がれないはずですから。すっごい
比喩だけど、関係者に伝わるでしょうか?I hope!

 その後、ホーリーの3歳の誕生日にFさんから届いた大きな段ボール箱。中には
たくさんのおもちゃとおいしい物がいっぱい。私だってこんなにたくさんのプレゼント
もらったことないのに…とちょっぴり嫉妬し、そして、中身をチェックしながら
{私に食べられる物何かないかなぁ?}と、しつこく物色していたのでした。残念ながら、
中身は全部純粋にホーリーの誕生祝いでした。(涙) それでも、ビスケットとかクッキー
とかチョコレートとか、食べられそうな物は「お毒味」と称してお味見を。それから
おもむろにホーリーにあげたのでした。と、実は彼を「食いしん坊!」だなんて言える
立場じゃなかったりして…。(号泣) ちなみに、一番おいしかったのはチョコでした!!
(汗)

<ポ イ ン ト>

1.犬が散歩好きとは限らないようです。

2.三つ子の魂百までもはほんとみたい…。

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八畳間でフリーラン

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「ノーリードで遊ぶのはしばらく禁止」
月に一度、訓練センターでのフリーランを心待ちにしているホーリーと私。彼にとっては
古巣で仲間や知っている職員さんたちに会え、しかも自由に思いっきり走ったり仲間と
戯れたり、そりゃぁもう、命の洗濯、すすぎ、脱水、乾燥って感じでしょうか。かく言う
私も、いつもイライラしながらうろついてる近所から離れ、うまくいけば先輩ユーザーや
訓練士にも会え、情報交換が出来る日でもあります。支援センターでのお買い物も
楽しいし。でも、フリーランは月に一度。それも、本来なら夏はお休みのところH訓練士
の計らいで特別にやらせてもらっていたんです。(詳しくは「僕の家の犬なんだ!」を
読んでね)

 朝の散歩はどうにかなっても、夕方、涼しくなるのを待っていては外は暗くなるし
危ないし…。って、見えない人に明るいとか暗いとか関係ないと思うかもしれないけど、
歩道や信号機がない道を暗くなってから歩くのは、自分が見えない分、相手に気をつけて
もらわなければならないから更に危険は増すんです。(涙)

犬の体高が低ければ低いほど道路に近く、薄暗がりの時刻になっても、昼間さんざん
照らされ続けた道からの熱はまだまだ暑く、私たちが感じる温度なんてもんじゃなく
強烈だそうです。それでも一日2回のお散歩はホーリーのダイエットのためと、点滅する
ランプを買い、ハーネスと首輪、私も腰につけ歩いた日もありました。が、昼間の疲れも
あり、やっぱり毎日は無理でした。(汗)

 そこで考えたのが、ちょっと狭いけど室内で遊ぶこと。空いている部屋の絨毯を裏返し
に敷き、床に爪で傷がつかないようにしてホーリー用フリーランの部屋にしました。広い
場所を確保するため、出っ張らないように家具を配置。何とか遊べる場所が作れました。
エアコンもあるしバッチリです!(満足満足)

バスケットにホーリーの好きなおもちゃ、コング・ロープ・ボール・ダンベルを入れ、
私のためには軍手にスリッパ・ホーリーのよだれ拭きを持っていざ2階へ。

リードを外してあげると、ホーリーは喜んで走り回っています。そのドスバタ言う音は
階下にまで響くほど。彼のノーリードは私の部屋だけで、家の中全部を自由に動けたわけ
ではないので嬉しかったんでしょう。エット、家の中でホーリーを自由にさせていない
ことには訳があって、一つは我が家にネコがいること。二つ目は毎度ながらホーリーの
食いしん坊対策です。ゴミ箱、座卓の上、台所etc。家中がまるでチルチルミチルの
お菓子の家状態!! 食い倒れ横町とでも言いますか…。(号泣)と言う訳で、自由に
させられなかったんです。もし自由にさせられたら、雨の日や私の都合で外出できない
ようなときも、一人であっちフラフラこっちフラフラ、けっこう運動になるような気が
するんですけど…。残念!

 訓練センターで習った服従訓練を基本に、ボールやコングを投げて持って来させたり、
ロープでホーリーと綱引きしたり(軍手はこの時のため)。でも、ボールはくれるんです
が、コングは投げても持って来ませんでした。なぜって、ホーリーはコングが大好き
なんです。コングってキングコングのおもちゃじゃなくて、ひょうたんみたいな形の
ゴム製の物です。

子犬時代、ケージの中で一人でお留守番させたりするとき、コングの中にお菓子を入れて
与えておくと、口が小さくなかなか取れないから、夢中になって時間を忘れてお留守番
成功! って、しつけの道具でもあります。中にお菓子を入れて遊んだんですから、今は
入ってなくてもホーリーが好きなのは当たり前。{何か入ってるんじゃないかな?}と
期待しているふしはありますけど…。(汗)

コットンと呼ばれる引っ張り紐も、力関係を彼に教えるには良い道具。 歯の掃除にも
なるし。これをすると、ホーリーの本能がむき出しになって怖いくらいです。主としては
取られないようにしないとダメ! だって主なんですから、ボスなんですから!! これも、
そのうち{つまんない}と思うのか、顔の前で挑発するようにブラブラ誘ってもちっとも
乗ってこなくなるのは、主同様飽きっぽいから?(またも汗)

ところが、自宅でのフリーランには落とし穴があったんです。少し気を抜いて背でも
見せようものなら、途端にマウント!! (上位を示すため相手の上に乗ること、オスの
生殖のときのスタイル)で私の上に乗るんです。すかさず「ノー!」で叱りますが、
これはショックでした。{まだ主と認めないどころか従えようと思ってるなんて…}と、言うこと聞くはずないと、ホーリーの隠していた気持ちが見えてしまい悲しかったです。
(涙)

タイムリーにN訓練士から電話が入り、たった今起きたマウント事件を話すと、しばらく
彼をノーリード(リードを外すこと)にしないようにとのこと。隙を見てするその動作が
うまく言ってしまうとまずいと。{なるほどねぇ~!}感心している場合ではありません。

 と言うことで、暑さを避けて遊べると思った8畳間のフリーラン。こうしてあえなく
数日で中断され、またもリードで繋がれたまま「ウエイト」「ヒール」「ダウン」etcと、
服従訓練だけしか出来なくなってしまったホーリー君でした。まぁ、これは彼の自爆
ですので同情はいらないかな? それでもホーリーの変わりに…。(号泣)

<ポ イ ン ト>

1.家の中でノーリードができたらgood

2.マウントにご注意

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アクロバットホーリー!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「20m先に車が停まっていますよ」
進行方向の状況が判らぬ視覚障害者にとって、すれ違う人が事前に教えてくれる情報には
大助かり。ホーリーのハーネスを通して知る道の様子が更に鮮明になります。それって、
私たちの歩行がもっともっと安全に近づくってことです。

お散歩の帰路いつもの小道を歩いていると、前から来た人が20M先に駐車中の車があると
教えてくれました。歩き始めて数ヶ月、こんな素敵なアドバイスを受けたのは初めて
でした。(涙) お礼を言い、{20mね、気をつけないと!!}と気を引き締め、それと
同時に、ホーリーがどう対処するかに興味津々でした。だって私と来たら、どんなに
小さな段差でも自分では判らず、いくらホーリーが上手に歩けてもタイムリーに褒めて
あげられないんです。だから、彼が20m先の車を避ける動作をしたら、すかさず「グッド」
と褒めてあげようと思って。このタイミングの良さが重なって行くことが大事なのに、
失敗して叱るタイミングはバッチリなのが見えないユーザー、特に初心者のユーザー
なんですよね…。(号泣)

 左側通行の盲導犬とユーザーです。左に駐車中の車があれば、犬は車の後ろで止まり
自分の前に障害物があると教えます。ユーザーはその車を避けるため道路中央に出ても
安全かどうか、後方の車の音に耳を澄まし、また、前方からも車が来ないかを音で
確認し、大丈夫なら、そこで初めて「OK ゴー」の合図で車を迂回。ホーリーと私の幅分
だけ道路中央に出るんです。それってへたしたら事故でしょ。だから、路上駐車の
車への対処は真剣なんです!!(号泣)

 そろそろ20mは歩いたと思われる場所に近づいても、ホーリーは一向に止まる気配を
見せず、かと言って車が発進した音も聞こえなかったし…。おかしいと思いつつそのまま
歩き続けた私たちでした。

見える人の距離感ってけっこうアバウトだって知ってますか? 普段あんまり意識して
いないからでしょうね。{そんなに歩いてどこ行くの?}みたいな距離を指示される
ことも多いです。だから、そのときもきっと間違ったんだろうと思い、{もう少し先
かな?}なんて、注意しながら進みました。

ところがところが、ホーリーはまったく止まらず、とうとう小さな交差点まで来て
しまいました。ここまで来ればもう20m以上の距離です。でも、私にはあの人がウソを
教えたとも思えず…。とにかく、集中して歩かないと危険! {おうちで考えよっと!!}
と決めたのでした。(チャンチャン)

 車が消えた! おかしいなぁ?? 家に戻り、私は帰路の歩行について思いを巡らして
いました。そしてあることに気づき、思わず「そうだったんだ~! ハハハ」と一人で
大笑いしてしまいました。ホーリーがすごいことをしたんです!! (笑)

 車は確かにありました。ただ、いつもと違ったのは、ホーリーが車の後ろで止まって
私に教えず、車の左側を通ってそのまま歩き続けたことです。しかも、ホーリーは自分が
斜めになって路肩の一段高くなった所を歩き、私のスペースを確保したと言うことです。
これってすごくない?! (微笑み)

{そろそろかな?}そう構えた頃だったと思うけど、ハーネスがクイッと斜めになった
場所がありました。そして私の耳には、ガタゴトと側溝の蓋の上を歩くときの音が聞こえ
ていました。つまりこうです。ホーリーは駐車中の車を見とめました。同時に車の左側に
二人で通るだけのスペースがあると判断したのです。但し、人家側の少しだけ土手の
ように高くなっている所を自分が歩けばです。

だから、車の後ろで止まることなく、自分は土手状の所を斜めになって進み、私を側溝の
蓋の上に緩やかに誘導し、また、緩やかに普通の道に戻ったんです。なななんてすごい
ことする子なんでしょう!! (微笑み) だから、私はいつもと違い、車の左脇を通った
訳です。初心者マークの私は、斜めに歩いたホーリーの動きをハーネスから感じ取れ
ませんでした。(涙)

 「能ある鷹は爪を隠す」と言いますが、ホーリーは一枚も二枚も私よりうわてです。
例えば、しっかり歩かず業を煮やした私が、通行人を呼び止め手を引いてもらったり
すると、必ずと言って良いほど自分のガイドが上手いことを証明して見せます。「僕は
ちゃんと出来るんだからね! ただちょっと、今は他のことの方が楽しいんだもん!!」
と言わんばかりに。だからこの時も、車が停まっていると教えられたことにプライドを
刺激されたんでしょう。駐車中の車があると教えるのはホーリーの大のお得意! だから
よけい、これまで見せたことのないようなガイドを披露したんでしょう。

アクロバットと書きましたが、道路中央に出るより車の左を通るスペースがあれば、
左側を通る方が安全なことは言うまでもなく、ホーリーが見せたガイドは正しいガイど方
なんです。

いまも毎日その道を歩いていますが、通行人から車の駐車を教えてもらったのもそのとき
だけなら、ホーリーが披露してくれたアクロバットガイドもそのときだけ。車だけは
相変わらず停まってますが、ホーリーは普通のガイドで私をリードしています。思うに、
別の場所でバックする車を避けるため、私に壁際に押しつけられたホーリーがとった
とっさのスタイル。壁に左足をかけて斜めになった経験が、この時応用されたような
気がしてます!(詳しくはバックナンバー「バックする車」を読んでね)やっぱり
ホーリーは頭良いんです!! これって親ばか?!(大汗)

<ポ イ ン ト>

1.進行方向の情報は安全歩行の要

2.まだまだ多い違法駐車

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ホーリーのHはエッチのH?!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「なにするんですか!!」
S訓練士が、私とホーリーのために考えてくれたお散歩ルートは家から駅までの往復。
エスカレーターを使って駅のコンコースへ。改札口まで行ってUターン。窓辺で少し休憩
してから帰路につくと言うもの。改札口は駅員さんがいる窓口の所がお約束の場所です。エスカレーターを上がり終えた所に点字ブロックがあり、いざとなったらそれを頼りに
自力で行けます。でも、ホーリーがこのコースをしっかり覚え、声だけの指示で正しい
ルートを歩き、目的地まで行ける立派な盲導犬になって欲しくて、毎日繰り返し
「ゲート ゴー」を練習していたのでした。私ってけっこう律儀な性格なんです。

 いつも改札口の前まで行く練習だったけど、そこから先、日によって電車に乗ったり
乗らなかったりバリエーションがあれば、ホーリーが{今日はどっちかな?}と、私の
指示を緊張して聞くようになり、ゲートに向かう彼の足取りも全く違うものになるはず!
それは判っていても、とにかくホーリーの拾い食いクセを何とかしないと、この上、電車に乗る緊張まで加わったら、私の頭のあちこちに円形ハゲができるのもそう遠くない
はず…(涙)

で、飽きていたけど仕方なく、「ゲート ゴー」で前進。のはずが、いつもと違うゲート
に向かったホーリー君。{変だなぁ?}と思った次の瞬間。「あっち行って、シッシッ」
とご婦人の声がしたんです。改札の外で人でも待っていたんでしょうか? 恐らく、
おばさんは私たちを見ていたと思います。そして、ホーリーと視線が合ったんでしょう。

その人が私と知り合いだとか、おいしい匂いがする物が入っていそうな袋を持っている
とかなら別ですが、見知らぬ人の所にスリスリ行くホーリーではありません。まぁ、
これまでの経験では、子供や十代、二十代のお兄さんやお姉さんの所には尻尾振って
積極的に近づき、愛嬌振りまいてますが、井戸端会議のおばさん達の横は素知らぬ顔で
通り過ぎてます。だから、シッシッおばさんの所にスッと行くとは思えないんです。
(おばさんごめんなさい) 

と言う訳で、犬嫌いのおばさんに「シッシッ」なんてすっごく失礼な追い払われ方を
された私たちは、不本意ながら「すみません」と謝り、きびすを返し、いつも休憩する
窓辺へ向かったのでした。しかし、いかに得がないとは言え、主らしき人がそばに
いるんですから、せめて私に「犬がニガテなんです。向こうに行ってくれませんか」
くらい言って欲しいです。「シッシッ」ねぇ~。

 窓辺に歩を進めると、今度はかなりの金切り声で声高に「何するんですか、やめて
下さい!」と叫ぶようなご婦人の声。反射的に「何もしてませんけど」と言ってしまって、
{何しても私には判らないんだ}とハッとし、急いでホーリーのリードを引き、
「すみません」とまたも謝ったのでした。まったくなんて日でしょう!!(涙)

状況は判りません。想像するに、おばさんは私たちに背を向け窓辺に立ち、物憂げに、
もしくはボンヤリと外を見ていたと仮定しましょう。折しもそこは私たちが休む場所。
ホーリーにとっては冷たい氷がもらえる素敵な場所でもあります。何の問題もなく
いつもの場所にテケテケ向かったホーリー。少しぐらい左右に位置をずらす融通は
ありますが、おばさんの持ち物が良い匂いだったとか、犬を飼っている人でその匂いが
したとか?まぁ、ホーリーがチカンするはずがないので、たぶん事情はそんなところで
しょう。

後ろを向いてたおばさんは、ちょうど膝の上あたりかスカートの裾当たりをホーリーの
鼻先でクンクンされ、チカン行為と間違えたのかと…。振り返って見れば誰もおらず、
視線を落とせば、自分に向かって愛嬌を振りまいている犬が一匹! これにはおばさんも
焦ったでしょうね。あんな大きい声でわめき散らしたんですから。(おばさんの変わりに
汗)

おばさんも恥ずかしかったと思うけど、私だって同じくらい恥ずかしかったんです。
だって、私たちは毎日毎日そこに行ってるんです。しかも、その日は改札口で別の
おばさんに「シッシッ」と大声で言われ、1分も経たずして今度はチカン呼ばわりです。
リペアサービスのおじさんも、駅の売店のおばさんも駅員さんも、ついでにパンを買った
お店の人もetc、みんなみんな知り合いなんですから。こんな風に、ホーリーに濡れ衣を

着せられても庇ってあげられない私では、主昇格がますます遠のく予感。(号泣)

 その後しばらくして、母と私でホーリー用腹掛けを作りました。金太郎の腹掛け
みたいな物で、さすがに丸の中に金とは書いてませんが、ワンポイントにイニシャルを
入れました。チカン呼ばわりされたことを思い出した私は、ホーリーの「H」では
あまりに皮肉だと思い、ひらがなで「ほ」とだけアップリケしたのでした。

紺地に赤の「ほ」の字はさりげなくおしゃれで可愛い! と私は満足していたのですが、
ホローアップで家に来たN訓練士は、お座りしているホーリーの腹掛けに「ほ」の字を
みとめたとたん、なんと、「プッ」と吹き出したのでした!! あの時のトラウマがそう
させたのに…。私の心労も知らず「いやー、間抜けですねぇ」と一言言って笑い転げる
N訓練士でした。実はここだけの話し、「ほ」にしたのは受け狙いもあったので大成功!!
(ハハハ、号泣)

<ポ イ ン ト>

1.盲導犬とは視線を合わせないで下さい

2.盲導犬への指示は英単語で。「シッシッ」はなんて言うのかな?

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背中にしょったフランスパン

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「ホーリー、できたねできたね!!」
思うように歩けず、毎日毎日同じ道ばかり歩いていた私たち。それだけでも大変だった
けど、正直言っていい加減飽きてました。かと言って新規ルート開拓も自信ないし…。
そこで考えたのが買い物でした。達成感と言うことで気合いも入りそうだし、大して
偉くないけど、少しは家の役に立ちたいじゃない? 本当は、スーパーマーケットで
お買い物が出来れば一番なんだけど、通路は狭いしホーリーの周囲においしい物は
いっぱいだし。何より、見えない私にはどこに何があるか判らずで、ショッピングガイド
がいないとお手上げ状態! (涙)

 そうと決まったら、さっそくルート上にあるお店の中で必要な買い物ができるお店を
思案。で、駅にあるパン屋さんに決定! ホローアップのときN訓練士と数回入った
ことがあり、何となく内部の様子も判るし…。もちろん、一人でトレーを持ってパンを
棚から選ぶことは出来ないから、まず手始めに、朝食用フランスパンを買うことに決定!

 そのパン屋さんのレジは自動ドアを入って数歩行ったところにあり、一歩左に避ければ
出入りのお客の邪魔にならず、ホーリーと待っていられるスペースがあります。だから、
まずはレジでお店の人に用件を言い、一歩控えて傍らで待つ。これなら鼻先にある
おいしそうなパンの誘惑にホーリーが誘われることもないでしょ?(ムッフッ)

でも、いざお店の前まで着たらビビッてしまった私。{大丈夫かなぁ。まだ早いんじゃ
ないのかなぁ}と、いくら補助犬法があってももし失敗したら出入り禁止になりそうだし、
ただでさえ陰口が聞こえてきてるのに…と思うと、絶対にパクッとさせるわけには
いかないんです!! 弱気になった私は、とりあえず店には入らず、外で待機してお店の
人にパンを持ってきてもらったほうが良いんじゃないか…と、私のコントロールの効果と
ホーリーの拾い食いへのパワーを天秤に掛け、あっさり引き下がってしまったのでした。
(汗)

通行人に頼んで店員さんを呼んでもらったところ、店長さんが中に招じ入れてくれました。
盲導犬と言えども、まだまだ入店拒否されると話に聞いていたので、わざわざ出てきて
くれたことに感激。でも、肝腎のフランスパンは焼き上がっておらず、時間を聞いて再度
トライ。なぜかホッとしてしまった私でした。

 {今日こそは!}と、家を出るときからやる気と気合いで興奮気味! それでもパン屋
のドアの数歩前で止まり、大きく一回深呼吸。「ホーリー、さぁ行くよ!」と掛け声も
凛々と、店内に。予定通りレジで店員さんに用件を伝え、一歩下がって控えのコーナーへ。
レジの接客が済んだ店員さんが、袋に入れたパンを持って私たちの所にきてくれました。
お金を渡し更に待機。その間に、巾着型斜めがけリュックもどきにパンを入れて背負う私。

ここまでで用件の半分は済んだけど、問題は、お店を出るとき! ホーリー側にパンの
陳列棚があるんです。本当に数歩のドアまでの距離だけど、私には入店のときより緊張を
強いられる瞬間です。(汗) 幸い、店内にいた人が手を引いてくれたので、私は彼の
首輪近くのリードを持つことが出来、無事お店の外に出られたのでした。(感激の涙)

 お店を出て数歩歩き、私はホーリーの頭をグリグリ撫でながら「ホーリー、やったね!
できたできた!!」と、バカみたいに小躍りするほど喜んだのでした。それまでに二人で
買った物と言えば、駅の売店で買ったミネラルウォーター。(詳しくは「初めての
お買い物」を読んでね)それまで一度も、二人だけでお店に入って買い物などしたことの
ない私たちです。頭グリグリの意味をちゃんと理解したようで、ホーリーも嬉しそうに
尻尾をブンブン振って喜んでいました。(快挙!)

 帰路、外はさっきより更に暑かったけど、私は、嬉しくていつもほど気になりません
でした。左手にハーネス、右手に白杖を持つ私は、両手がふさがっていて荷物が持てず、
いつも荷はリュックで持ち運びです。斜めにかけたリュックから飛び出しているフランス
パンは、まるで佐々木小次郎の背負い刀のよう! 人目にもおかしく自分でもおかしい
その姿。でも、これまた見えなくなって初めて自力で買ったフランスパン。しかも、
ホーリーが、行きも帰りもガイドしてくれたからこそ買えたパン!! 奇妙なカッコだった
けど、人目なんか全く気にならないほど、私は嬉しくて仕方ありませんでした。

あ~ぁ、それなのにそれなのに…。幸せいっぱいの気持ちで家まで着くと思いきや、
帰路のホーリー君、相変わらずキョロキョロとおいしい物探し! あの一瞬の盲導犬
らしい姿はどこえやら。お願いです、これをきっかけにそろそろ目覚めて下さい!(哀願
&号泣)

<ぽ い ん と>

1.パン屋さん、入店拒否しないでくれてありがとう

2.外見より実用

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電信柱にお説教!?

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「ほらほら、危ないでしょ!」
道路交通法では、左側通行が原則の盲導犬。臭い嗅ぎと拾い食いクセのあるホーリー
にとってはラッキーなルール。でも、私にとっては頭痛の種。(涙) 最近はカラスの
悪さも影響し、ゴミ収集日は緊張の連続。タバコやガムのほい捨ても多く、特に駅前
ロータリーは、食べかすや飲み物の容器がそのまま残されていたり、マナーの悪さを痛感
させられてます。それもこれも、実はみ~んな、歩きながらホーリーが教えてくれました。
つまり、彼がパクッと口に入れた物を、私が取り出して確認しているってことです(号泣)

 いくら路肩にホーリーを誘惑する物が落ちていると判っていても、彼の右側を歩く私に
とって、道路中央寄りに歩いては事故に遭う危険が…。そこで、「寄って寄って」と、
ホーリーをなるべく路肩に沿って歩かせるよう指示を出さざるを得ないのです。この矛盾!
(号泣)

 我が家の近所と来たら、全く何でこんなに電信柱が多いのかと思うほどたくさんあって、
プラス、街灯のポールもあるからサァ大変!! ペットのマーキングのすごいことすごい
こと。(涙) ホーリーが、匂いを嗅ぎながらめぼしい物を探して歩いていると、彼の
注意力が散漫になり、私が電信柱にぶつかりそうになってしまいます。拾い食いで彼が
お腹を壊したりする心配と、私が痛い目に合うダブルの危険。(涙)

 自己防衛の意味もあり、白杖を時計の針が11時20分を指す位置で前にかざし、安全を
確保しながら歩いている私。ぶつかってからホーリーを叱るだけじゃなく、やれることは
自分でもやらないとね。(褒めて褒めて) その杖が「コチン」と何かに当たりました。

もうすぐ十字路に出る手前の家。ちょうど角に電信柱があるんです。しかも生け垣の
向こうの庭にはワンちゃんが…。ホーリーの大好きな匂いスポットです。(号泣) 
障害物にぶつかりそうになったり、ぶつかったときは、ホーリーを呼び止め「ほらっ、
ぶつかっちゃったでしょ。よそ見しちゃダメなの!」と注意します。そのときもそうで
した。

白杖で電信柱をポコポコ叩きながら、「ほらほら、危ないでしょ!」と、私はホーリーに
注意を促したのでした。すると、突然、「あっ、すみません。上ばかり見ていたもので
すから」と男の人が出てきたんです! いやー、驚いたのなんのって!! もう少しで
悲鳴を上げるところでした。(ウソ) 少し落ち着いて現場の様子を想像してみると、
何だか怖くなって来ました。

{左に寄って歩いていたのにおかしいなぁ? 生け垣と電信柱の影に隠れていたみたい
だけど…。普通の人なら仕事してる時間。夜でもないのにこの人は上ばかり見てたって…。
星が見える時間じゃないし…。どうかんがえても怪しい!! 最近この辺でひったくりが
横行してるらしいし。とにかく、早くこの場から立ち去ったほうが無難!!}内心ドキドキ
怪しみながら、努めて冷静を装いホーリーに指示を出す私でした。その間もおじさんは
「上ばかり見ていたもので」を繰り返し、私は「いいえ」なんて言いながら、ますます
怪しく焦っていたのでした。(汗)

 サッサとその場を離れたくても、肝腎のホーリーがちっとも動きません。なんせ、人が
大好きなホーリー君、おじさんと視線が合ったんでしょう。嬉しそうに尻尾をブンブン
振って愛嬌を振りまくばかりで歩こうとしないんです。(号泣)

と、私が視覚障害者で状況がつかめていないとようやく判ったおじさんが、「電気工事を
するもので…」と言いました。見える人なら、一目瞭然のおじさんの作業着姿と
ヘルメット! それなら「上ばかり…」と言い続けても{あぁ、電気工事ね}と判るで
しょう。イヤ、それ以前に状況はつかめますでも…。

 見える人なら突進してくるはずないし、背を向けていたおじさんは、近づく私たちに
気づくはずもないんです。まずスリスリしてくる足下のホーリーに視線を向け、その
延長上に人がいるのをみとめたんでしょう。そして、私が見えないとは思わず、自分が
歩行の邪魔をしたと思い、また作業着姿で判ると思い、気づかなかった理由を言い続けた。
そんなところかな? おじさんは怪しい人ではありませんでした。(大汗)

 ようやくその場を離れた私とホーリー。私は、{それにしても怖かった!}と、ホッと
したのもつかのま、立ちくらみするほどの可能性に気づいたのでした。白杖がカチンと
当たったのは、電信柱ではなく空を見上げていたおじさんのヘルメット?! 「ほらほら、
危ないでしょ!」とポカポカ叩いてホーリーに注意したつもりの言葉は、ヘルメットを
叩いておじさんにしていた説教? あ~ぁ、きっとそうです!!(号泣)

一気に血の気が引きました。今ほど帰路のバリエーションがなかった当時の私たち。
その道を通らないと帰れません。{おじさん、まだいるだろうな~? どうしよう??}と、
謝るべきか? もう済んだことだから知らん顔して通り過ぎてもいいのか…? と、
小心者の私は苦悩したのでした。(汗)

工事の下見だったのか、幸いなことにおじさんはそこにはいませんでした。(ホッ) 
ヘルメットを叩いて説教していたことの可能性を思うと、ヘルメット越しとは言え頭を
ポカポカ杖で叩かれても怒りもせず、ひたすら「気づかないで…」「空ばかり見ていて…」
と繰り返していたおじさんは、怪しいどころかすっごく優しい人だったんです。怪しい
のは、電信柱と思いこんでヘルメットを叩き続け、説教までしてしまった私の方でした。
(号泣)

<ポ イ ン ト>

1.電信柱とヘルメットの音の違いを覚えましょう

2.ホーリーへの注意は、「ホーリー…」と主語を入れて

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慰霊祭! でも泣かないよ!!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年
 「黙祷!!」
年に一度、日本盲導犬協会主催で行われる慰霊祭。その年に亡くなった犬たちのため、我々
ユーザーはもちろん、協会関係者、亡くなった犬たちに関わった人たちが参列し、会場
にはたくさんの人が集まっていました。ホーリーと出会ってまだそれほど経っていない
時期、慰霊祭の何たるかも知らぬ私は、半分以上興味からの参加でした。(汗) 

フリーランに来た日、たまたま子犬の委託式を見学することができ、そのとき訓練士から
手渡されたのが繁殖犬ボランティア産からのアルバム。そして慰霊祭の日、リタイア犬
ボランティアのKさんに会えました。一頭一頭の最後だけでなく、協会が慰霊祭と言う
形で式典を行うことに感激したのは、とりもなおさず、悩み多き現役ユーザーの私!(汗)
 と言う訳で、幸運な偶然が重なり、一気に「盲導犬の一生」と、それに関わる
ボランティアさんや協会の仕事について知ることが出来たのでした。

 式で霊を弔われるのは、産まれても自発呼吸しなかった赤ちゃん犬。生後まもなく
亡くなった犬。子犬時代、成犬時代に、リタイア後に…etc 病気や事故で亡くなった
犬もいました。一年間に亡くなったその子たちの名前と、ボランティアさんの名前、
ユーザーの名前を読み上げ、例えば、PR活動や老人ホーム慰問などで活躍したことも報告
されます。(うるうる涙) で、このとき初めて、さっきまで話していたKさんと
サンちゃんが、その日の主役だったと知ったんです。(うるうる目で汗)

 喪主の一人であるユーザー代表が、壇上でパートナーだった犬への別れの言葉を述べ
ました。「土手で足を滑らせ落ちそうになった私を、○○は前足を踏ん張り、落ちない
よう助けてくれました」。もう、この辺になると目は涙でうるうるです。{今はこんなに
大変でも、私たちにも強い絆ができて、いつか涙うるうるの美談が語れるようになる日が
来るんだ!!}と、その苦労がまだまだ続くことを思いもせず、美談語りに向けて、
頑張って歩くとまたも決意を新たにした私でした!(笑)

それから全員で1分間の黙祷。終了後、一人づつ菊の花を献花しました。犬たちのお骨は
協会の墓地のある慈恵院に納められます。壇上に飾られた在りし日の犬たちの写真を、
それぞれがそれぞれの思いで見つめたことでしょう。(涙)

 式が丁寧だったことにも驚き、更に、集まった盲動犬たちの態度にビックリ! 
ユーザーが50人以上来ていたのですから、犬の数もしかり。なのに、吠える声が聞こえ
ないんです。ユーザーの数は後で聞いた数字。見えない私には、会場全体の人員を確認
するすべはありません。でも、もし犬たちが騒いでいればそれなりに把握できたでしょう。
私に聞こえたのは、ユーザーが思い思いに犬の首輪につけたベルや鈴の音だけ。ときどき
犬の「クーンクーン」と言う悲しげな声は聞こえましたが、それでも犬の数を知る
手がかりにはほど遠い!

更に、黙祷の1分間は、人も犬も無言。月に一度届く会報のテープ。丁寧に黙祷部分の
1分間もそのまま収録してあり、当初、そこはカットされるのではと思っていた私は、
テープが無言のまま回り続けることの意味が判らなかったほどです。「だって盲導犬は
吠えないんでしょ?「と言われそうですが、チッチッチッ!! それは違います。吠える
ことにも吠えないことにも理由はあります。(後でね) 式に参列した犬たちにも、
その式の意味が判っているかのような静けさでした。

 多くの盲導犬が一堂に介す場所に、初めて行った私たち家族。さっきまでのホーリーと
同様、ワイワイ言いながら観察しまくってました。「犬は飼い主に似る」って言うのは
本当でしょうか?思うに、ホーリーは、早くも家族に順応してる…ってことはないで
しょうか? 少し不安。「黒よりイエローが多い」とか、「ラブの白はきれいだ」とか、
「カッコイイ服着せてる」とかetc。中でも私が一番興味を引いたのが、パトライトを
腰にくくりつけている犬がいるってこと。パトカーや救急車が屋根の上につけてるあれ
です。確かに夜道は安全だけど、いや~、ワンちゃんの腰は大丈夫なのかな? 重くない
のかな?

 ある人はガイドボランティアさんと共に。またある人は家族と共に。遠路はるばる前日
から泊まりがけで参加したユーザーもいました。みんながそれぞれ安全に歩く工夫を
しながら、同じ思いで日本中から参加した慰霊祭でした。

<ポ イ ン ト>

1.ご存じでしたか慰霊祭

2.犬が吠え、泣く理由

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リタイア犬ボランティアさんに教えられたこと!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「最後まで散歩に行きたがってました」
ホーリーと出会って3ヶ月が過ぎた頃、日本盲導犬協会で開かれる慰霊祭に出席。そこで
出会ったのがリタイア犬ボランティア(退役犬ボランティア)のKさんです。
とは言っても、慰霊祭の何たるかも知らない私は、Kさんがその日の喪主の一人だとは
知らず話をしていたのでした。(汗)

 会場の準備が整うまで、集まった人たちはあちこちでくつろぎ、談笑しながら
アナウンスを待っていました。入り口近くのベンチに腰掛けていた私たちの前で、三人の
小さな子供連れの二人のご婦人が足を止めました。たぶん、私と一緒にいたホーリーを
見とめたんでしょう。なんせホーリー君、行き交う先輩盲導犬の威風堂々とした姿に
興奮し、まるでディズニーランドのパレードを見る子供のように大はしゃぎ! 顔は
左右にキョロキョロ、足はドタバタドタバタ落ち着きなく、私が賢明に出す「シット」
の指示も「ダウン」の指示も右から左へトンネル状態!!(号泣) そんなホーリー相手に
孤軍奮闘している私は、はた目にも新米同志と言うことは歴然。心配し、励ますつもりで
声を掛けてくれたんでしょう。(汗)

 盲導犬育成に関わるボランティアで、世に一番知られているのはパピーウオーカーだと
思います。私もそれほど知らない時期で、Kさんもそんな関係者の一人だろうと思って
いたんです。確かに関係者でしたけど…。(汗) でも、話をしていくうちにリタイア犬
ボランティアさんだと知ったんです。しかも、預かっていた犬を亡くしたばかりだと…。

 預かっていたのはサンちゃんと言う女の子。問わず語りに話し始めたサンちゃんの
生活は、将来、必ずやってくるホーリーの姿でもあり、私には人ごとではなかったんです。
そんな私の気も知らず、相変わらず、ホーリーは足下で先輩諸氏の有志に見とれて
ソワソワしてましたけどね。(涙)

当初、サンちゃんのユーザーは、盲導犬として引退した彼女を自宅で世話していたそう
です。(えっと、ここから話し始めると「リタイア犬サンちゃんへの愛情物語」に
なっちゃうので、機会があったらご紹介します。)事情により最後まで看取れず、
ボランティアさんに託すことにしたそうです。そしてサンちゃんはKさんと出会いました。

 リタイア犬ボランティアは、盲導犬としての働きを終えた老いた犬を引き取り、その
犬の最後を看取ります。どのボランティアさんにも別れはあるけど、それは次に続く
希望のバトンタッチ。でも、リタイア犬のお世話は、精神的に一番つらいお努め
なんじゃないかと私は思うんです。「リタイア犬なんだから年は取ってるし、死はやって
くるのに…。サンちゃんが死ぬなんて思ってなかったんです」と、所用で連絡を取った時、
Kさんが話してくれました。

 協会で交わした言葉の中で特に心に残っているのは、「サンちゃんは最後までお散歩に
行きたがってました」って言葉です。階段が下りられなくなってスロープを作って
あげたり、後ろ足が立たずすぐにペチャンとへたってしまう彼女のため、ベストを着せて
後ろ足への負担が軽くなるよう支え持ってあげたりと、ゆっくりのんびり、休み休み
お散歩したって。(ウルウル涙)

{あぁ、本当なんだ!}N訓練士が「太らせると歩けなくなりますよ」と言っていた
ことを思い出していました。サンちゃんは太っていたから歩けなくなった訳じゃないけど、
「最後までお散歩したがっていた…。」ってことは、歩けなくなったら、高齢
じゃなくても散歩ができなくなるってことでしょ。足腰が萎えて、本当に歩行困難になる
までは、他の原因で歩けなくしちゃいけない!! そう思ったんです。(偉い!)

すでにホーリーのドクターからダイエットの厳命が出てたし(詳しくは「ただの肥満です」
を読んでね)しかも、おからで痩せるとの言葉を鵜呑みにし、与えすぎて逆太りさせて
しまった私!(汗)(詳しくは「おからダイエット」を読んでね) と言う訳で、
ホーリーの明るい老後のため、気持ちも新たに、ダイエットに励むと誓った私でした。

 そして、Kさんとの出逢いで教えられたもう一つ大事な現実。長い間共に歩み、助けて
くれた盲導犬がリタイア後、ユーザーと暮らせない理由。イヤ、ユーザーが犬と暮らせ
ない理由!! Kさんの話を聞いた数ヶ月後、私はその現実を身をもって知るのです。
意味深でしょ!(ムッフッ!)

<ポ イ ン ト>

1.いつまでもお散歩が出来るよう体重管理は大事!

2.毎日お散歩につきあってくれる犬って最高!(逆転の発想)

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260gの一郎君!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年
 「ユーザーさんに渡して下さい」
フリーランに行った協会でH訓練士から渡された茶封筒。それは、繁殖犬ボランティア
さんからの贈り物で、中には手紙と一緒に小さなアルバムが。ホーリーが、産まれた時
から協会に戻るまでの約2ヶ月間、折に触れ撮りためられた記録写真が、ボランティア
さんのコメントと共に納められていました。この写真もコメントも、涙なくしては語れ
ないほどすっごく感動的なんです!!

 今、ユーザーの私は「ホーリーママ」と呼ばれ、自分でも「ママちゃん」なんて
言ったり書いたりしてますが、携帯電話のAUのCMで、お父さんが犬と言う家族を起用する
ずっと以前から、盲導犬とユーザーの間には人と犬の親子関係があったのでした。但し、
息子か娘に限定されてますが…。(笑)

 ホーリーの産みの親は、ラブラドールレトリーバーのライカちゃんです。ホーリーは、
毛色も顔もおまけに品性もライカママにそっくりだとか…。コホン、品性って、つまり
食いしん坊な所が(号泣) 収集した情報によると、何でも兄妹全部が食いしん坊らしく
ユーザーさんたちの悩みも同じでした。(大汗) と言う訳で、遺伝と知れば拾い食い
大王のホーリー君だけを責められません。これも怒れない理由の一つです。(詳しくは
「後悔したくないから怒らない!」を読んでね)

ホーリーは第一子で、体重は260gとかなり小さく、ボランティアさんに一番お世話に
なったようです。ライカママの出産より少し前、ボランティアさんのお友達の家で
産まれた赤ちゃんが290g。その子が天国に行ってしまった後だけに、更に30 gも少ない
ホーリーが心配で仕方なかったそうです。(これはメールで聞いた話)案の定、他の兄妹
たちにはじき飛ばされオッパイにありつけず、特別待遇で一番に飲ませてもらったの
でした。で、他の兄妹が一斉に飲んでいるとき、ゆとりのホーリーは、一人ママの顔の
所で遊んでいたのでした。(アルバムより)

 そんな好待遇を受けていたホーリーですが体重は一向に増えず、急遽、ほ乳瓶による
人口ミルク授乳になったのです。大活躍したのが、当時小学生だったボランティアさんの
お子さん! タオルにくるまれたホーリーが男の子に抱かれ、ほ乳瓶でミルクを飲んで
いる写真がありました。(感謝) そのせいか、ホーリーは子供が大好きです。

名付け親はパピーウォーカーさん。ホーリーと名付けてもらうまで、彼の幼名は「一郎」
でした。産まれた順番に一・二・三…とつけたそうです。ワープしますが、現在
ポチたま出演中のラブの大介君、お父さんはまさおでした。私はこれがニガテというか
大好きと言うか、犬に人みたいな名前がついてるのがおかしくて、とくに「まさお君」
なんて聞こえてくると、もう笑いのツボにドップリスッポリはまってしまい大変なんです!
だから、ホーリーと出会う前、一番気にしていたのは真剣に犬の名前だったんです。(汗)

協会では、管理目的で日本語の名前はつけないと知らず、{名前を呼ぶたびツボにはまる
ような名前だったらどうしよう…}と、今の苦労を思いもせず、全く脳天気にそればかり気にしていたのでした。(号泣) だから、一郎君って響きすっごく可愛いのに、声に
出したり書いたりするたびどうしても口元がペコちゃん状態になるのでした。(笑)

 そんなこんなで、産まれたときから大切にされ、可愛がられ、心配もたくさんかけた
一郎君ことホーリーでした。(微笑み) そして、パピーウォーカーへの委託式の日、
参加していたあの男の子、ホーリーをタオルにくるんでミルクをあげていた子です。
彼が、ホーリーのパピーウォーカーさんに言った言葉。「おばさん、一郎君を可愛がって
あげてね。一郎君は一番小さくて、僕、一生懸命育てたんだ!」と。ねっ、こんな
バトンタッチ知ってて可愛がらなかったら、これまで以上のバチがあたるような気が
しませんか? 私はしてます!! (汗)

 アルバムのお陰で、ホーリーが産まれてから二ヶ月間の様子がわかったけど、本当に
感動したのはもっともっと別のこと。ボランティアさんは、私にプレゼントしてくれた
ように、他のユーザーにも子犬の思い出のアルバムを作りプレゼントしていたんです。
もちろん、優しい言葉のコメント付きで…。(感動!) そして、それは
今も続いているんです。すごいでしょ!?

 アルバムを受け取った頃、今に続く問題の兆候はすでに出ていたものの、まだ盲導犬を
スーパードッグと信じていた私は、{こんなに愛され、育てられしつけられ出会えた
ホーリー。私も一生懸命可愛がって、一緒に頑張って歩いて行く。そしていつか、
ボランティアさんにも会いに行こう!!} と、目を涙でウルウルさせ、胸は感動で
いっぱいにし、堅く心に誓ったのでした。(汗)

(おまけ)
 「すぐにどこにでも行ける!」そう信じていた私は、ホーリーと出会った秋、
キンモクセイの咲く頃にご対面を計画。のはずでしたが、未だに近所をウロウロ。と言う
訳で、頑張って歩いてはいますが、まだボランティアさんに会いに行けません。(涙)

 <ぽ い ん と>

1.あまり知られていない繁殖犬ボランティアさんの存在

2.アルバムは愛のバトンタッチ

☆今回から「しゅくだい」を「ポイント」に変更してみました。元々勉強は嫌いなので、
誰も手をつけないまま、宿題だけが貯まってしまったからです。(汗)
夏休みの終わりの頃、ほら、ツクツクボウシが泣く緊張感と焦り! 過去のトラウマが、
私を脅迫し始めたもので…。ポイントなら私は気にならないけど、でも、ポイントに
なっても皆さんには気にして欲しいんですけど…。(笑)

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僕の家の犬なんだ!

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 もう帰ったほうがいいんじゃないの?」
ホーリーが我が家に来てから、月に一度の訓練センター行きが定例行事となりました。
ハーネスもリードも外し、ここから巣立った盲導犬仲間の犬たちと、思いっきり自由に
遊ばせてあげる時間。のはずが、夏の間はお休みだと新米ユーザーの私は知らなかった
のです。(汗) それでもホーリーを走らせてあげられたのは、ひとえにH訓練士の
優しさからでした。あっ、これには少し説明がいります。

フリーランがあると思いこんでいた私は、遊んだ後に彼のシャンプーをしたいと思い、
犬舎の施設使用の予約電話を入れたんです。その電話にたまたま出たのがH訓練士。
「不慣れな私と歩いてストレスいっぱいだろうから、せめて、少しでも走らせてシャンプー
してリフレッシュさせたい」と言う私の希望を聞き入れ、ちょうど希望訪問日が自分の
当直明けだったことも幸いし、フリーランに立ち会いながら、ついでに私にいろいろ指導
してくれたのでした。(感謝) だから、もしHさんがその電話を取らず、訪問希望日が
Hさんの宿直明けじゃなかったら、私たち家族はセンターに行けませんでした。でも、
私たちは何も知らず出かけ、しかも、Hさんのこんな優しさがそれからも数回続いた
んです。だから、そこで出くわした全てのことは、きっと偶然ではないと思う私。
(感激の涙) 相変わらず前置きが長い…。(汗)

 フリーランを終え三階から下りてくる途中、二階の一室からマイクで話す声が聞こえて
来ました。何事かと問うと、パピー(子犬)の委託式とのこと。許可を得、私たちは末席
に鎮座ましましたのでした。お散歩時の注意や病気のこと、予防接種や薬・フードの費用
負担、協会からのレンタル品etc。たくさんの約束事の一つ一つに、これから約10ヵ月、
委託する子犬たちに対するきめ細やかな愛情を感じ、{2年前、ホーリーもこんな風に
パピーウォーカーに預けられたんだ!}との思いで、旨がキューンとなったのでした。

 5頭の子犬が一緒に入ったケージが一つ、台車に乗せられゴロゴロとやって来ました。
台車が近づくや否や、あちこちから歓声と「可愛い!」の声が挙がり、続いてシャッター
を切る音! 一瞬にして部屋は大撮影会場に早変わり。その歓声を聞き、部屋にいる
おおよその人の数が判った私。なんと、5頭の子犬が預けられるそれぞれの家庭が、一家
総出でお迎えに来ていたようで、室内にはかなりの人がいたんです。(感激)

 盲導犬の名前はパピーウォーカーがつけます。職員が1頭ずつ子犬をケージから出し、
子犬につけられた名前を呼ぶと、預かり手の家族がそばに行き子犬を受け取ります。
ワクワクの瞬間!! よく判らない難しい話をおとなしく聞いていた子供たちは、この時を
ずっとずっと待っていたんです。(微笑み)

それぞれの犬を預かり、参加者達は三々五々帰宅し始めました。出口付近で座っていた
私は、H訓練士に子犬を抱かせてくれないか問うてみました。そばにいたご家族が、私に
その子犬を抱かせてくれたんです。もっとコロコロしていて丸っこいのかと思ったけど、
二ヶ月ともなると鼻面も伸び四肢も長くなっていて、私の思う子犬のイメージとは大違い!

私が子犬を撫でたりさすったりしていると、職員とHさんの「ホーリー…、ハハハ」との
笑い声が。「どうしたんですか?」と問うと、H訓練士と一緒に少し離れた所にいた
ホーリーが、その様子を見て焦ってると言うんです。私と子犬の顔を見比べ足り、お座り
して待ってる前足をドタバタ、今にもこちらに来そうな感じとのこと。いつもは、呼んで
も気に入らないとそっぽを向いてるクセに、少しは私を意識してくれていたようです。
(笑)

 もう一人、ホーリーと同じように焦っていた男の子がいました。幼稚園の年長さんか、
小学校1~2年生くらいかな? 長くて退屈な時間、ずっと我慢してようやく会えた子犬
なのに、お母さんは知らない人(私)に抱っこさせちゃって、もしかしたら連れて行かれ
ちゃうんじゃないのかと大あわて! こんな時、大人になんて言えばいいのか一生懸命
考えたんでしょうね、その子はこんな風に言ったんです。「ねぇ、もう帰ったほうが
いいんじゃないの!?」(微笑み)

お母さんは嬉しそうに私に話しかけてくれるんですが、「もう少し抱っこさせて
くれる?」。そう男の子に頼んでも、「帰ったほうがいいんじゃない」を繰り返すばかり。
一国も早く家に帰り、一緒に遊びたかったんでしょう。{ホーリーも焦ってるようだし…}
と、お礼を言って子犬をお母さんに返しました。見えないけど、男の子の顔に笑顔が
もどり、我が家のホーリー君も、ジタバタを止めて落ち着いてくれたんじゃないで
しょうか?(微笑み)

 滅多に行かないセンターで体験したパピーの委託式。「盲導犬クイールの一生」じゃ
ないけど、今、自分の傍らにいるホーリーの犬生の歴史の一こまを、垣間見た思いでした。
そして、このときHさんが手渡してくれた茶封筒の中にも、ホーリーへの愛情がタップリ
入っていたのです。

<しゅくだい>

1.盲導犬になるまでの愛のバトンタッチ

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教えたようには歩きません

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「犬は、私たちが教えたようには歩きません」
私と歩くようになって、180度変ってしまったホーリーのガイド! もっとも、彼の
スピードにおそれをなし、ハーネスを引き過ぎてホーリーのやる気を阻害したのは私
なんですけど…。(汗) とにかく、3週間の共同訓練で感じた手応えはどこへやら! 
{一体どうしちゃったんだろう??}{どうしたら以前のようなガイドをして歩いて
くれるんだろう??}私の頭の中はそんな悩みでいっぱいだったのです。そりゃ最初は、
周囲の人に良いところを見せようって意識がなかったと言えばウソになるけど、
そうじゃなくて、ガイドの善し悪しは、そのまま私たちの命に関わる大切なことだから
です。(号泣)

 訓練センターで開かれる定例の行事に参加した時のこと。集まったユーザーと、協会
職員で行われた盲導犬についての勉強会。交わされた質疑応答の中に私が探していた
答えがありました。

「訓練士学校の生徒さんも覚えておいて下さい。犬は、私たちが教えたようには歩き
ません」。{エッ、なにそれ!!}。瞬間そう思い、次に{やっぱりそうだったんだ!}と、
ショックと共に奇妙な安堵感。もしかしたら…、との疑いが的中した訳だけど、こんな
正解ちっとも嬉しくない!(号泣)

不慣れな私の歩行がホーリーの足を引っ張っているとは思っていても、あまりの変わり
ようが理解できず、本の中からようやく一つの答えを見つけたばかり。(詳しくは「本の
中から見つけた現実)を読んでね) そこに関係者からのダメ押しの一言! これは
さすがにこたえました。(落涙)

 ショックはショックだったけど、他の犬も同じなんだと知ってホッ。新米ユーザー
同志の交流もなく孤軍奮闘していた私。自分だけじゃなかったと知り、{みんな越えて
来た道だったんだ!}と、妙に素直に納得。「よーし!」と、何だか頑張れる気がしたの
でした。が、そこには犬による個体差があることに思いが至らぬ私。(涙)

 「皆さんの所でどう変わるか私たちには判りません。ですから、それを教えて下さい」
{なななんていい加減な…!}と、その時は思いました。だって、私は本当に苦労して
いたんですから。(涙) せめて事前に、「変わりますよ」と聞かされていれば、いくら
テレビでスーパードッグのイメージを植え込まれていたとしても、多少なりとも覚悟し
心の準備もし、変化に対処もできたのに…。私のあの苦悩の日々は何だったの? こんな
状態いつまで続くの…。「変わります」と言われたって、私とホーリーは毎日歩いて
るんです! 命がけなんです!! {せめて視野狭窄とか夜盲症とか弱視とかだったらなぁ}
と、愚にもつかぬことを思いため息をつく私でした。(号泣)

 犬が変わるのは判ったけど、その理由は何? じゃあどうすればいいの? 前向きに
考えましょう前向きに!! 思うに、「どう変わるか判らない」って無責任な言葉のよう
だけど、少し違うと思うんです。「目配せ」とか「目で人を制す」とか、目の果たす役割
の大きさは計り知れず! 目と目で合図する「目配せ」は、英語でアイコンタクトですが、
盲導犬とユーザーの間にはこれがないんです。

訓練中は訓練士が褒めるタイミングを教えてくれました。「自転車避けた! ホーリーが
{褒めて}って顔見てますよ。グッドって言って!」と。訓練士にそう教えられ、私は
間髪を入れず「グッドグッド」と彼を褒めてあげられるんです。すると、それが嬉しくて
次も頑張ってくれます。そのストレートな健気さがいじらしく、また可愛く、こちらも
また嬉しくてどんどん褒めます。どんどんがどんどん増えて、良い方向にどんどん
行くんです。

犬だって、自分が上手にできた時は判るんです。そして褒めてもらいたくて、ニコッと
して欲しくて顔を見上げるんです。褒めて欲しいときに視線が合わず違う所を見ていて、
褒めてもくれなかったらあなたならどう思いますか? 私がホーリーなら、絶対に
ふてくされるんじゃないかな! ただでさえ言葉が通じないのに、アイコンタクトなしで
心を繋ぎ意思の疎通を図るんですから、大変なのは当たり前なんじゃないかと? これが
私の思う見える人と見えない人との間にある絶対的「視線」のバリアです。(号泣) 

だから、 アイコンタクトを使わず出した指示で動くようになんて、いかに訓練士と
言えども訓練出来ないと素人の私は思うのでした。ユーザーの所で変わらないしつけの
できる犬が訓練出来たら、それってすごいことなんじゃないかな? そうでなくても
素質を見極め、盲導犬として訓練するのは大変なはずだから。(汗) (注.そう言う
盲導犬をご存じの片、或いはユーザーの方、訓練士が読んでいたらご連絡お願いします。
当方アドバイス求めてます!!)

さぁ~て、これからどうする?! 言うことを聞かない理由として普通に考えられるのは、
ユーザーの歩行の不慣れとか、犬に主と思われない得の低さとか、まぁ他にも理由は
あると思うけど…。以上、全て私のことです。(涙) {変化を報告し、訓練士にホロー
アップに来てもらえば悪癖も治る! そのためのノウハウは持っているってこと
なんだろう。だって、もうすぐ40年にもなる実績があるんだから}と、ホローアップで
きちんとした指導を受けるべく、日々の観察をビシッとし、きっちり報告して的確な
アドバイスを受けるぞ! と心に誓う私でした。(汗)

<しゅくだい>

1.美化と現実

2.視線の大切さ

3.大変なユーザーは自分だけじゃない!

4.これからどうする?

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おばさんは婦警さん?

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「前方10m先に車あり!」
同じ道を歩いているのに、ちょっとしたホーリーのイレギュラーな動きに方向感覚を失い、
進行方向が判らなくなる時があります。特に歩き始めの頃、私は訓練士と歩いた道しか
歩けず、ホーリーは、いい加減飽きて別の道に行きたがると言った具合。曲がるべき道を
すっ飛ばし、車の通りの激しい方へ行こうとします。そのたび私は歩行者に声を掛け、
手を引いて助けてもらったのでした。婦警のような おばさんはそんな中の一人でした。

 足音に耳を澄まし、靴音が近づくのを待ち声を掛けます。必ず止まってくれるとは
限らず、素通りされることもしばしば。暑い盛り、次の足音を待っている数分、これが
けっこう大変でした。

止まってくれた人に行きたい方向を知らせ、手を引いてもらう、もしくは道を教えて
もらう訳だけど、こんなことが以外に難しいんです。お互いに、自分の立ち位置が基準
だから話はなおややこしく、くわえて、見えぬ私にあっちだこっちだと言われても見当も
つかず、呼び止めたのに失礼だけど、{次の人を待とう!}なんて気持ちにもなると
言うもの。(汗) そんな中、おばさんのガイドはピカ一でした。

 手を引いてもらう(手引き)時は、相手の左肘を持たせてもらい一緒に歩きます。
おばさんは、自分たちが進む方向の状況と、進路を替える少し前、それを私に伝えて
くれるのです。例えばこんな風に。「前方約10mに駐車中の車があります。」「右に2m
大きく回り込んで直進します」「また直進で5mほど行きます」等々。動きも直角に
ビシビシッとメリハリを効かせて歩くため、私は今、自分がどこにいて、周囲の状況が
どうなのかが手に取るように判ったのです。(感動)

こんなガイドは初めてでした。最初は、おばさんの交通指導のような言葉遣いや動作が
おかしく、口が不二家のペコちゃんみたいになっただけだったんですが、そのうち、
なんと、語調に刺激され、「はい」「はい」と、いちいち返事をしていたのでした。(汗)

 視覚障害者の手引き方法の指導を受け、有料でガイドするヘルパーがいます。私は
お願いしたことがなく判りませんが、おばさんのガイドも、その人たちと同じくらい
上手なんじゃないでしょうか? それとも、私が思う安心と、プロの手引きとは違う
でしょうか? もっとも、短い距離だったから説明もしてもらえたけど、あの歩き方だと、
長距離だったらガイドする人が疲れるかも知れません。(汗)

 そんなことがあった数ヶ月後、お散歩コース途中にあった集会所が閉鎖されてしまい、
それまでときどき挨拶していた人たちの声が聞こえなくなってしまったのです。そして
おばさんにも会わなくなってしまいました。どうやら、おばさんもそこでサークル活動
していた人のようでした。ほんの数分の、イヤ、数秒の触れ合いだったけど、周囲に
見守りのまなざしがあることは頼もしかったし、人が大好きなホーリーにとっても、
そこを通れば顔見知りがいるといないとではずいぶん違うんじゃないのかな?

 おばさんにまた会えたら、今度こそ絶対に聞こうと思っていることがあります。
「おばさんは昔、婦警さんだったんですか?」って。婦警さんじゃなかったら自衛官かな?
あのキビキビした誘導の仕方と口調のルーツは、「昔取った杵柄(きねづか)」。
その辺じゃないかと。突然ガイドを求められ、自然に出てきたとは思えないから。婦警か
自衛官! 何だかそんな気がするんです。さ~て、今度の勘は当たるでしょうか? (汗)

<しゅくだい>

1.あなたの左肘を持たせて盲導犬使用者をガイド

2.あっち・こっち・そっちは「どっち?」

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私は見えない訓練士

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

 「ご苦労様です」
ホーリーと散歩していると、すれ違いざまにこう言われることがあります。確かに、苦労
して歩いているし大変だけど、「ご苦労様」ってどこか変じゃない? そんなことが度
重なったある日、ボソボソ話している声が聞こえてきました。「盲導犬の訓練中よ。」
「ぜんぜん見えないのかねぇ~?」「少しは見えるんじゃない?」{あ~ぁ、なるほど
合点! 私にご苦労様と言った人たちは、恐らく、この人達と同じように私をユーザー
とは思わず、ホーリーも盲導犬とは思っていなかったんじゃないでしょうか? どうやら
私たちは誤解されていたようです!!(涙)

 私が考える誤解の原因は3つ。1つ目はマスコミによる盲導犬の美化。2つ目は、
1つ目と比べてのホーリーのガイドぶり。3つ目は、私のやる気満々に見えるスポーティー
な服装と、そこはかとなく漂う気合い? じゃないかな…と。美化も決して悪いことでは
ないけど、思うに、わざわざ美化して伝えなくても、現実を直視していればもっとリアル
な感動の場面がいっぱいあると思うんだけど…。手っ取り早くお手軽に物語を作っても、
その先にある真実は伝わらないんじゃないのかな?ウ~ン、抽象的に書いてるから
サッパリ判らない! (汗)

 候補犬として産まれた犬が訓練を受け、盲導犬として視覚障害者のために働く。ある犬
は、サーブのように主を庇い片足を失い、またある犬は、クイールのように主に
先立たれる。今、日本中に千頭いない盲導犬とユーザーにはその数だけのドラマがあり、
それは、肢体不自由者のために働く介助犬、聴覚障害者のために働く聴導犬にも言える
こと。そして、私とホーリーにも美談は山盛りで~す。知ってる人が少ないって言うのが
玉に傷なんですけどね。(汗)

 「盲導犬かくあるべし」って視線で見れば、ホーリーのガイドは「訓練中?」と思われ
ても仕方がないかも…。何度も力説しちゃいますが、犬にも個性がありまして、しかも、
盲導犬初心者マークの時期があるんです。(汗) テレビに出た盲導犬だって、カメラに
映っていない時はどうかな? ホーリーだって細切れで見てもらえば、きっと凛々しい
はず!! (I hope!) プラス私の服装?

私たちが歩き始めた頃は夏真っ盛り。ペットのお散歩をしている友達は、UVケアだ
なんだって工夫して外出してたけど、私は何もせず機能重視! 匂い嗅ぎで電信柱に
ぶつかってはと、頭にはつばのしっかりした帽子。汗を吸収しやすい木綿のTシャツ。
排泄物のお片づけでしゃがむからズボン。(このズボンはその後試行錯誤の結果、必要な
品を素早く出せるようカーゴパンツになります。)足元は、地面の感覚が判りやすい
薄底のスニーカー。1・2ベルトやお水に、ちり紙にハンカチは小さいときからの
お出かけ必需品。まぁ、その他いろいろ入ったウエストポーチ。極めつけは首のタオル。
どこから見てもしっかり構えた訓練スタイルでしょ? しかも、一緒に「らしからぬ」
犬が歩いていれば、すれ違う人たちは「?」と思っても仕方ないのです。(号泣)

 他にも、思い当たる節として私の声掛けがあります。(詳しくは「しゃべり続ける訳」
を読んでね)歩いているときホーリーに何くれとなく話しかけるんですが、上手に
できれば「グッドグッド」と褒めちぎり、失敗したら「ノー」で叱る。時には少し戻って
やり直させたり、よそ見をせず私の声に集中させるため、突然別のコマンド(指示・命令)
を出したりと、とにかく遊びながら、一つずつ確実にやらせながら歩いてますからね。
きっとそんなところも訓練に見えたんでしょう。大体、盲導犬として完成されていると
思っていれば、これは散歩と言うには気合いが入りすぎていますが…。(号泣) 

 服装はともかく、ホーリーが訓練センターでしつけられた歩行のルールは、見えない
私が安全に歩くため、最低知らなければならない町の情報を伝えてくれる大切なもの。
特に、横断歩道も音響信号も、イヤ、信号機さえない交差点を渡らぬようにするには、
彼が角をきちんと教えてくれることが大事! {ここは角だよ}と教えてくれれば、私は
一旦停止して車音に耳を澄まし、誤って交差点に入って行かずにすむんです。これって命がけでしょ? だから、しつけられたルールをいい加減に、「まぁいいか」と、なあなあではやり過ごせないんです。せめて歩道があればなぁ…。(号泣)

 このさいホーリーの仕事ぶりは置いといてっと。訓練士に間違えられるってことは、
それだけビシッと歩いてるってことで、もしかしたらそれって、私にとっては喜ぶべき
ことなのかなぁ?(汗) 問題は、いつまで訓練と好意的に誤解してくれてるかってこと。
同じ場所をチョロチョロしてるんだから、見ている人もほぼ同じはず。それなりに成長の
証を見せなければ…。ウ~ン、まずい!!(汗)

で、こんな風に考えたんです。どの犬も訓練士にきちんとした基本訓練を受けるのは同じ
だけど、ユーザーと出逢い、その時から視線の合わぬ訓練士との訓練が始まるんだって。
犬と人との相性やインスピレーションとかあるだろうけど、盲導犬は最初から盲導犬
じゃなくて、ユーザーと一緒に成長し、盲導犬になっていくんじゃないのかなって。
あっ、これではおこがましいです。実は、ユーザーも最初からユーザーや主だったのでは
なく、犬に成長させられているんです。(しみじみ実感) 何の話しでしたっけ?
そうそう。だからこそ、一頭一頭それぞれの物語ができる!! ウ~ン、ちょっと
カッコいいなぁ~!!誰も言ってくれないので自分で褒めてみました。 (汗)

<しゅくだい>

1.全盲の訓練士はいません(今のところ)

2.視線の合わぬ主と歩く犬の大変さ

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