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本の中から見つけた現実

・・・デビューしたてー若葉マークの頃ー2006年

「どこへでもいける!と思ったら…」
 5日間の自宅周辺訓練を終え、晴れて待望の盲導犬使用者証をGET。(感動)これは、
電車やバスなど公共機関を使う時、求められれば提示しなければならない大切な物。
ハーネスと身体障害者手帳、使用者証の三点が揃って初めて、私がユーザーとして、
ホーリーが盲導犬として補助犬法の下で守られ働ける訳です。(落涙)アッ、その話では
ありませんでした。

使用者証をもらったと言うことは、当たり前ですが、以後、私たちだけで歩くと言う事。
訓練士不在のあの日から、私とホーリーのバトルが始まったのでした。(詳しくは、
別の話を読んでね。汗)

 盲導犬と一緒なら、すぐにどこにでも行ける!ホーリーに、イヤ、盲導犬にスーパー
ドッグのイメージを持っていた私は、訓練士がいないと180度変わってしまう犬の実態
を全く知らなかったのです。(涙)

えっと、盲導犬の名誉のため少しホローすると、変化の理由は犬のせいだけではなく、
私(ユーザー)にも原因があって、一番のポイントは、「視線」じゃないかと…。しかし、
どうあがいてもこれだけは得られるはずはなく、得られれば盲導犬は不要なわけで…。
(涙) だからこそ、この変化にどう対処するかが大切なんです。

ゴミ収集所に突進し、「No」と言っても離れない。電信柱の臭いを嗅ぎマーキング。
2~3回それをすると次はウンチ。他の犬の方に行っちゃうし、教えるはずの角を無視
して素通り。行きたくない方には行かず座り込む始末。普通の家庭犬の方がもっと
しっかり歩いてるとは家族の評。(情けない)

 {あんなに上手に歩いていたのに、どうしちゃったのかなぁ~?}変わってしまった
理由が判らず、答えを本の中に探すべく、盲導犬に関する点訳本やテープ録音された本を
次から次へと読みあさったのでした。

 あったあった!!「盲導犬ユーザーの詩(Song to the guide dog.)」の中に、自分で
書いたかのような先輩ユーザーの文を二例発見!「やっぱりあった!」何だか複雑な
気持ちで安堵。世のほとんどの人が思う盲導犬はこんなに大変な犬じゃなくて、
もっともっとお利口で役に立つ存在。盲導犬を使う側の視覚障害者だって、同じように
考えてます。だから、自分の犬の変化に驚いた当事者(ユーザー)は、本の中のこの例を見つけ、初めて自分の犬にだけ起きたんじゃないと現実を知るんです。そんな人は私だけ
でしょうか?ウ~ン…かも!

だけど、どうしてみんな美化して書くのかな?3日、3ヶ月、3年って言うけど、どんな
に大変だった日々も、月日が経つうちに全てが良い思い出となり、つらかった思い出は
心から消えて行っちゃうのは、人にとってきっと良いこと!思い出が辛くて苦しいこと
ばっかりなら、未来への希望なんて持てないもん!!それに、いつも一緒に歩いてくれて、
自分の子供のように世話し、暮らした存在のパートナーを悪く言うなんて…。私はしてる
けど…。(汗)

美談にしたくても周囲で見ている人たちにはバレバレだし、ここだけの話し、親ばか
どころかバカ親なんて言われてるくらい、家ではホーリー大好きのベタベタママちゃん!
あばたもえくぼのブログにしたいのはやまやま!でも、そんなの私の性に合わない。
って言うか、それは違うと思う訳です。

 全国に1,000頭いない盲導犬。新米ユーザーの私に相談相手がいるはずもなく、
見つけた事例もほんの一握り。他の犬は上手に歩けているのかも知れないし、全ての犬に
当てはまることじゃないかも…。たぶんそうなんでしょうね、たぶんね。そう思わせる
ほど、本の中には美談ばかり。(注.この理由を、私はずっと後になって知ります。)

 妄想癖があるわりには現実的思考の私。もしですよ…もし、盲導犬がユーザーの所で
変わってしまうのが真実なら、どこに原因があるのか、どうすればそれを回避できるのか。
変わるとしても、短期間で修正できるようにするにはどうしたら良いのかetc。恐らく、
協会ではとっくに判っているはずのこれら問題が、自宅に戻りその現実に触れるまで、
合宿中、ユーザーに一言も告げられなかったのはどうしてかな?あっ、そう言えば…。
自宅周辺訓練の最終日。訓練士の別れ際の言葉。「2~3年すれば落ち着くから!
頑張ってね!!」{2~3年?落ち着く?}と、妙に気になるせりふがあったけど…。

 今、盲導犬貸与を希望するたくさんの視覚障碍者が首を長くして順番を待ってるけど、
私みたいに脳天気にスーパードッグと信じて待ってる人はいないんだろうか?夢や希望は
たくさん持っていた方が良いけど、覚悟を決めて待っているのといないのでは、ショック
の度合いはかなり違うはず。一頭の盲導犬を育てるのはとても大変なこと。でも、ユーザー
の所でもっと大変になったら、それは人にも犬にも可愛そ過ぎる。何かおかしい!!

 さーて、真実を知った今、私はこれからどうすればいいのか?180度変わって
しまった現実を、どうすれば元に戻せるのか?判っていることは、ホーリーが盲導犬と
して教育を受け、合格した3~4割の中の一頭ってこと。私との合宿訓練で見事に上手に
ガイドできていたってこと。寝ている間に交換された訳じゃない!(汗) だから、
きっと上手に歩けるようになる!!犬を飼ったことのない私は、現実を知って落ち込んだ
ものの、純粋にそう信じ、更にパンドラの箱に残されたものも信じ、ついでに八百万の神
も信じ、次の一歩を踏み出すための答えを模索するのでした。って書くとカッコイイけど、
現実は、協会に連絡し、訓練士さんにホローアップをお願いするのでした。
(チャンチャン)

<しゅくだい>

1.絶対に超えられない「視線」のバリア

2.覚悟を決めて貸与申請

3.美談で歩行の現実は変わらない

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